
みなさん、こんな言葉を聞いたことはありませんか?
「日常会話の80%は中学英語で十分。」
「中学英語で英会話は十分にできる。」
本屋さんに行って英語関連の棚を見ると、私たちが中学校で覚えてきた表現で英語が話せる、という内容の本がたくさん出版されています。
確かに、専門的知識・語彙を必要としない、いわゆる日常会話であれば、中学校で学習した単語や表現でほとんど話すことができます。しかしながら、それは、「大人のやり直し英語」の話です。
これからの時代で求められるのは、「英語を使って議論できる力」。今後の子供たちに求められるのは、日常会話はあたり前。世界中の人と英語を使って意見交換ができる力と言われています。
そこで、今回は、英語を使って議論をする力を身につけるために、小学生のうちに覚えておきたい英単語について調べてみました。
小学校で習う英単語はどんなもの?
2020年全面施行の小学校新指導要領によると、今まで中学校で行ってきた内容を小学校に前倒しし、中学校では更なる語彙力・コミュニケーション力を強化する方針です。
そうなると、小学生のうちに「英単語をいくつ覚えておけばいいのか」「具体的に、小学校で習う英単語は何か」が気になりますよね。
英単語数は?
小学校で習う英単語数の目標は、卒業までに600〜700語。
現行の中学校目標数は1200ですから、中学3年間の半分に相当する量の単語を小学校で扱います。
気をつけたいのは、この語数は目安であり、「600~700語を小学校のうちに覚えて使いこなさなければいけない」ということではないということです。
え??
と思った方も多いかもしれません。
これは、小学校英語の目的が「英単語を覚えること」ではないためです。小学校では、「生涯にわたって外国語を継続習得していく態度を養うこと」また、「英語でコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成すること」を目標にしています。
よって、小学校で学習するといわれる英単語数は、あくまでも目安なんです。
この600~700語といつ数字は、2011年に導入された外国語活動(小5・小6対象)での結果と、諸外国で実施されている外国語教育の状況などをふまえて設定されています。
ちなみに、小学校3・4年生の外国語活動でこどもたちが触れる語彙数は400語。それに5・6年生の教科としての英語学習で200~300語が想定されています。
中学校では、目標数を現在より30%~50%増しした1600~1800に。高校では、それに加えて1800~2500語を学ぶことになります。
小学校でみんなが習う英単語は?
中学校で学習する英語を前倒しするのなら、具体的に小学校で習う英単語を知りたいですよね。
しかし、残念ながら、「小学生が一律で学習する英単語リスト」というものは存在しません。
分かりやすいのは、漢字との比較です。
漢字に関しては、学習指導要領に「学年別漢字配当表」という一覧があります。例えば、1年生では80字、2年生では160字というように、どの学年で何の漢字を覚えるのかが、事細かに決められています。英語には、これがないということです。
前に述べたとおり、小学校で英語を学習する目的が「英単語を身につけること」ではないので、現状、小学校で学習する英単語は具体的に定められていないのです。
では、新学習指導要領にはどんな風に書かれているのかと言うと・・・以下の4点を英単語・表現の選定ポイントにあげています。
- 小学校段階で必要な定型挨拶
- 自分や身の回りの物事に関する、簡単な描写や質問・応答
- 自分の考えや気持ちを述べる最も基礎的な言い回し
- 中学校にいっても繰り返し学ぶことが期待される語彙
この内容にもとづき、どの教科書を使い、何を学ぶかは各地方自治体に任されています。
そうはいっても、5・6年生になると英語の教科書もあるし、ワークブックやテストもある。
では、何を覚えておけばいいのでしょうか??
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小学校で覚えておきたい英単語とは?

それは、子供達が世界中の人々と英語でコミュニケーションを図るために必要な単語。つまり、日常で触れる様々なものの単語 です。
イメージとしては、中学校の始めに習った簡単なYes/Noクエスチョンを思い出してみてください。
“Do you like ~ ?”
“What food do you like ~ ?”
“Where is ~ ?””
私たち親が中学校で習ったこの基本構文に、日常で使える単語を組み合わせていくのが小学校英語の基本です。
よって、親世代の私たちが行ってきた「教科書を読むための語彙・表現」や「テストで点をとるための暗記」ではなく、「会話のための英単語」を増やし、日常と結び付けていけばよいのです。
例えば、
- 数字(one, two, one hundred…)
- 順序(first, second, third…)
- 月 (January, February…)
- 曜日(Monday, Tuesday, Wednesday…)
- 教科・時間割(Math, PE, Japanese…)
- 動物(dogs , elephants, giraffes…)
- 食べ物(pizza, curry and rice…)
- 持っているモノ(a pencil, a ruler, a stapler)
- 運動(play soccer, ski, swim…)
- 毎日すること(get up, eat breakfast…)
簡単な言葉だな…。そう思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうです。
簡単なんです!
これらの言葉や表現を1つ1つ数えていくと、600~700語になります。小学校では、これらの英単語”Do you like ~ ?”、”What food do you like ~ ?”などの基本表現に当てはめて覚えていきます。
文部科学省の教科書We can!に出てくる英単語

具体的な英単語は決まっていない、とは言え、全国の自治体・小学校には参考図書が配付されています。
発行元は、文部科学省。
今までは、「Hi, friends!」という教科書でしたが、今後は3・4年生向けに「Let’s try!」、5・6年生向けに「We can!」になります。これらは指定教材ではないので、小学校によって異なる教科書を使う場合もあるのでご注意くださいね。
→小5・6で学習する英単語「We Can!」についての記事はこちら
英単語力が「効果的にUP」する教材選びのコツ!
ここで、多くの方にご質問いただくのが「どんな英単語教材がいいのか」ということです。
小学校時代の英語教材選びは、必ず2つのことを気をつける必要があります。それは、
- 子供が楽しめる教材を選ぶこと
- 親が英語学習の目的・目標をはっきり意識すること
です。
小学生の目線で教材を選ぼう!
親のわたしたちがついついやってしまうのが、「ずっと長く使える教材選び」もしくは「700語がしっかり身につく学習系の教材選び」をしてしまうこと。
これからずっと英語を勉強していくのだから、少なくても中学校くらいまでは使える辞典のような教材を選びたいと思うのは当然のことです。また、最近は「小学校で学習する英単語がしっかり身につく」ことをテーマにした教材も数多く出版されていますよね。
これらが、お子さんの性格・興味にぴったり合っていれば、問題ありません!
大切なのは、「その学習(教材)が小学生の子供にとって楽しいものであるか」ということです。
小学生は、自分が楽しい・興味があることであれば男女問わず、進んで学習します。逆に、つまらない・興味が続かないものの場合は、すぐ飽きたり、学習そのものを苦手だと認識してしまうことがあります。
教材を選ぶ際は、小学校低学年であればあるほど、「楽しさ」を重視しましょう。
小学校1・2年生であれば、やっと机に向かって学習できるようになってきた頃。小学校3・4年生は、勉強が難しくなってきて、得意な教科・苦手な教科ができ始める頃。
小学校5・6年生は、授業がより難しくなる上に、後輩のお世話を求められ、また中学受験を意識する友達もでてきて、精神的に不安定になる場合もあります。精神神的・肉体的な変化が著しいこの時期は、子供の受け入れ態勢を考慮する必要があります。
親が目的・目標をはっきり意識しよう!
これは、子供が達成すべき英語目標を親が決める、ということではありません。
「その教材を使って、子供にどんな風になって欲しいのかをイメージしながら教材の選択肢を考える」ということです。
例えば、小学生のうちに英検にチャレンジして欲しいと思うのであれば、もし子供がやってみたい!と意欲がわいた時のことを考えて、英検対応の教材を選択肢の候補に入れる。
一先ず、小学校で扱われる600~700語を身につけて欲しいと思うのであれば、小学校指導要領準拠の教材や、収録語数が700語くらいのものを候補にあげる。
英単語に幅広く触れ、小学校の英語にとらわれずに学習して欲しいのであれば、1000語・2000語単位のピクチャーブック(絵本辞典)を選択してみる。
小学校低学年のお子さん・お孫さんへのプレゼントでない限りは、基本、お子さんと相談して決めることになると思います。
最近は、新しい「小学生向けの英語の本」がどんどん出版されていますから、選ぶだけでも一苦労。そうなると、どうしても親が子供にアドバイスをしたり、親が選んだ中から子供が選ぶことになりますよね。
そんな時、親のイメージがしっかりしていないと、あれもこれも・・・となって、教材選びが非常につらいものになりかねません。
学習するのは子供ですから、~して欲しいという願い・希望はあくまで「子供が学習を楽しんでやる気になったら」くらいに置きつつ、数多くの選択肢の中からベストな1冊を選べるよう、情報整理をしておくことが大切です。
〔目的別〕厳選おすすめ教材TOP3
よく、「おすすめは?」と聞かれるので、ちょっとご紹介しておきますね。
ズバリ!
「音が出るタイプ」の英語教材です。
今後の英語教育では、小学校・中学校ともに「音慣れ」が重視されます。まず、英語の音にしっかり触れてから単語の書き方を覚えたり、文法を学習していく指導に変わっていきます。
そこで便利なのが、「音が出るペンタイプ」の英語教材です。
テレビCMでよく流れる公文式や、難関大学の受験指導で有名なZ会の小学生講座でも、この「音が出るペン」が採用されています。CDのようにディスクをセットする手間がなく、小学生が好きな時に自由に使えるため、音慣れ教材として非常に人気です。
【1位】アメリカを舞台に学ぶ!本格派の英語絵辞典
まず、ご紹介したいのが、わが家でも使っている英語絵辞典。
英語教材・通信講座で有名なアルクから出ている「アルクの2000語えいご絵辞典 for Kids」です。

1位の理由。
それは、日本の小学校英語教育の枠にとらわれず、日常のことが話せるようになる2000が楽しく身につくところです。
日本を基本設定にする絵辞典が多い中、こちらはアメリカが舞台。
音の出るペンタイプの絵辞典というと、少し幼い印象を受ける小学生もいると思いますが、アメリカを感じられる内容になっているので、高学年でも十分楽しめます。
内容は、「単語」「会話」「クイズ」「チャンツ」「テーマに合わせた楽しい歌10曲」の合計2800種を楽しめる構成になっていて、小学校の6年間十分楽しめるように工夫されています。
巻末には索引もあるので、「はじめての辞書」として英語⇔日本語、日本語⇔英語の両方から調べることもできますよ。
☞わが家で「2000語えいご辞典」を実際に使った感想のページはこちら
【2位】英検に役立つ!えいご辞典
英検を意識するなら、こちら。
英検に強い旺文社から出版されている、「ペンがおしゃべり!英検に役立つ 小学えいご絵じてん800 改訂版」です。
英検4級・5級に出題される語彙から、小学生にとって身近な単語・フレーズを厳選して収録。800語・100フレーズを音を聴きながら覚えることができます。
絵辞典の他にも、「アルファベットを書く練習」「シーン別の会話3場面」「英単語クイズ」ができるワークブックがついています。
絵は少し子供向けですが、”hot/cold”など、対(つい)で覚えると理解しやすい表現が80ペアがあるなど、小学校英語をしっかり習得し、英検につなげたい方におススメです。
☟楽天のお店「英語伝」さんが説明・画像盛りだくさんでわかりやすいですよ。
【3位】日本の小学生のことを徹底的に考えた辞典
NHKの「えいごであそぼ」で活躍されたジェリー・ソーレスさん監修の、日本人の小学生のことを徹底的に考えた辞典です。
こちらの絵図鑑の設定は日本。
小学生が日常生活で使う単語や会話を徹底的に調べ、こども同士の会話だけでなく、親や先生との会話も収録されています。
また、低学年・中学年・高学年と、成長段階にわけた構成になっているので、1年生からでも無理なく学習することができるのも魅力。
英語が少し苦手だったり、日常生活から英語を覚えたい方にもおススメです。
☟楽天・アマゾンで試し読み可能
ぜひ、このページを参考に、楽しく学習できる英語教材を見つけていただければ嬉しいです!