
そんなこと、ありませんか?
私には小5の息子がいます。
小学1年生で初めて「ひらがな」を習ったばかり頃は、まだ線が上手く書けなくてふにゃふにゃしていたものの、とても形の整った文字を書いていました。
しかし、1年生の2学期になって漢字を習い始めた途端、急激に字が汚くなり、2年生、3年生…と学年が上がるにつれ、「とめ・はね・はらい・書き順」がいい加減に…。
3年生の終わりごろには、「私が1番見たくないモノ」が「漢字練習をしている息子」と「漢字ノート」になりました。
このページでは、「汚い字」から脱却するために小学校の先生から直接聞いた「子どもの汚い字」に関する裏話や、親がサポートで改善する方法をご紹介します。
市販のおすすめ教材や、新しく漢字を覚える際に役立つアプリなどについても書きましたので、ぜひ参考にしてください。
学校の先生から聞いた「字が汚くなる」3つの理由
息子が通っている小学校の先生によると、子どもの字には3つの傾向があるそうです。
- 漢字を学習し始めると「ひらがな」が汚くなる。
- 書き方の基本を覚えるにはドリル3回以上が目安。学校の学習だけでは足りない。
- 学校ではきれいな字を書いていても、自宅でする宿題の字は雑になる。
①漢字を学習すると「ひらがな」が汚くなる!
これは目から鱗でした。
確かに、わが家の息子は漢字を習い始めた途端に「ひらがな」の形が崩れ始めました。
英語の場合、ローマ字の大文字・小文字を習得すればよいですが、日本語は「ひらがな・カタカナ・漢字」の3種類を覚え、それらの使い方までも学習する必要があります。
「ひらがな」は曲線が多く、「カタカナ・漢字」は直線中心です。漢字は「とめ・はね・はらい」方にも注意しなければならなりません。
そのため、どんどん文字の形や文字を書く際に注意すべきポイントが変わるので、基本形を身につけるにはどうしても繰り返し学習が必須になります。
②学校の学習だけでは身に付かない!
とは言っても、小学校で新出漢字を学習しているのだから、学校できれいに書けるようになってきて欲しいですよね。
でも残念ながら、学校は基本の書き方を「学ぶ」場所であり、大人が考える「美しい文字」を全員に統一させるのは難しいのが現状です。だからこそ、漢字ドリルを何回も繰り返し書く宿題がでるのですよね。
先生方はドリル学習をがんばった子どもにシールをあげる、スタンプを押してあげるなど、子どもたちがやる気になるよう創意工夫を凝らしています。しかし、限られた時間内で生徒全員の文字を1つ1つ確認し、汚い字を書く生徒を完璧に指導するのは到底困難です。
国語や書写で習った内容を確認する作業はできますが、1年生で学習した「ひらがな・カタカナ」、そして過去の学習漢字の「文字の美しさ」について振り返る余裕はありません。
③自宅では字が雑になる!
でも正直、子供にとって「字を書く作業」は面倒くさいようです。
なぜなら、新しいモノに興味をそそられる子どもにとって、自宅でする漢字ドリルの練習は「目新しく」ないからです。
子どもは、とにかく新しいモノが大好きです。学校では「新しい漢字を学えなきゃ…」と一生懸命に取り組みますが、自宅でくり返し書く作業には面白みがありません。今も「うんこドリルシリーズ」が人気ですが、これはドリルに「笑い」という新鮮味が加わっているからでしょう。
そして、学年が上がれば上がるほど、子どもは得意・不得意な教科が出てきて、きれいな「ひらなが」「漢字」を書くどころではなくなります。
「宿題を早く終わらせて友達と遊びたい。」
学校から帰宅して友達と遊べる時間は僅か。中学受験勉強をしている子は暗記する内容や解く問題がたくさん。「書く」という作業に時間を掛けたくないのは、ある意味仕方がないことなのかもしれません。
子どもの汚い字を直す「優位性」とは?
皆さんは、「聴覚優位」・「視覚優位」という言葉をご存知ですか?
普段、わたし達は五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を使って情報を認識したり、記憶したり、他者とコミュニケーションを図っています。
そして、これらをさらに3つに区分した「聴覚」「視覚」「身体感覚(触覚・味覚・嗅覚)」を表象システムと呼び(※NLPでの名称)、自分がどの感覚に敏感なのかを理解することで学習効率をUPすることができます。
【STEP1】子供が視覚優位/聴覚優位かを見極めよう!
では、ここで問題です。
裏紙でいいので、どこかに書き留めてみてください。
できれば3~4個。
大人は少し長めの文章で。
さて、どんな表現が出てきたでしょうか?
【STEP2】優位性から認識の特徴を知ろう!
先程の問題に答えると、自分がどの感覚に優位であるかを知ることができます。
- 視覚タイプ ⇒ 目で見える刺激に敏感
- 聴覚タイプ ⇒ 耳からの刺激に敏感
- 身体感覚タイプ ⇒ 動作や体感に鋭い
視覚タイプは「目で見えるもの」に敏感です。
先程の問題には、「青い空が広がっていて、白いサンゴ礁が美しい砂浜があります。鳥が雲の上を群れを作って飛んでいきます」などと視覚に関係する表現を用いる傾向があります。
何かを思い浮かべる時に視線が上を向き、映像で思い出します。「~のように見える」という表現が多いタイプです。
聴覚タイプの場合は「耳からの刺激」に敏感です。
「さぶーん、ざぶーんと波が打ち寄せる音が聞こえ、砂浜を歩くとキュッキュッと鳴く音がします。空に飛ぶカモメが鳴く声が聞こえる海です」などと、聴覚に関係する表現を多く用います。
思考する際に目が左右に動く傾向があり、聴覚情報を糸口に記憶を呼び起こすタイプです。「~聞いたことがある」や「~のように聞こえる」という表現を多く用います。
身体感覚タイプは「動作や身体の感覚」が鋭く、「~と感じる」などと感覚的な表現を多く用います。視線は下に動かすことが多いタイプです。
先程の問題では、「海は広々としていて開放的です。真夏の砂浜は熱くて歩くのが大変ですが、海水に入ったときのひんやりとした感覚が気持ちよく、好きです。」などと感覚に関する言葉が多くなります。
- 視覚・聴覚・身体感覚が100%はっきり分かれることはありません。また、子どもの場合は優位性が均等であることも多いので、「うちの子はこれ!」と決めつけないようにして下さい。一方で、大人や強い特性を持つ子どもの場合は優位性が顕著な場合があります。
- 目線の向きは様々な考え方があるため、上を向いているから視覚優位とは言い切れません。未来について考える時は「上」、計算するなど数学的な思考をしている時は「左右」、過去を思い出している時は「下」という考え方もあります。
子どもの汚い字を直す「指導ポイント」
視覚優位の場合
視覚優位のお子さんの場合は「見る」ことが1番効果的です。
自分がきれいな文字を書いている…と視覚的に実感できるようにしたり、「自分の字がいかに汚いか」が目で見てわかるようにすると文字のバランスを意識するようになります。
- きれいに書けたらご褒美にシールを貼る
- スタンプをためる
- 花丸のレパートリーを増やす
- 子どもの文字とお手本を比較する
- 子どもの綺麗な文字にピンクのマーカー、汚い文字にブルーのマーカーを引く
- 漢字の無料アプリでなぞり練習をする
- ネットの書き順動画サイトで視覚的に覚える
- 親だけが漢字ノートを見て「字がきれいに書けたわね」と褒める
- 「『先生が字を綺麗に書くように』って言ってたわよ」と具体例を示さない
低学年の場合は、文字を習っているタイミングで矯正するのが1番早い解決法です。
特に低学年は「文字の基本形」となる漢字を学ぶことが多いので、1文字直せば2文字…3文字…ときれいなります。
低学年で文字の汚さを悩んでいるご家庭は、今まで学習した漢字すべてを綺麗に直そうとするのではなく、今日学習してきた漢字を丁寧に書くこと意識してみてください。
まだ素直に親の言うことを聞く年齢ですので、漢字の練習ができる無料アプリなどを上手く利用するのも効果的です。
3年生になると、学校生活にも慣れ、文字の汚さに拍車がかかることがあります。わが家の息子の字が1番汚かったのは、この頃です。
1・2年生の時と違って、(息子の)学校の指導が明らかな間違いは直すけれど、多少の字の汚さは多めにみるものに変わり、書き順がいい加減だったり、文字のバランスがおかしい字を書くようになってきました。
しかもその頃、中学受験をすることに決めました。最近の受験は漢字の採点が厳しい学校が多く、漢字の「とめ・はね・はらい」ができないのは中学受験では致命的です。
そこで、小学校や塾の漢字テストで減点がないように自宅で教えることにたのですが、親に指摘され続けると不穏な空気が流れ、親子で嫌になってきました。
そんな時に出会ったのが、漢字アプリに定評がある【スマイルゼミ】とチャレンジタッチ【進研ゼミ小学講座】
です。
特に、進研ゼミ小学講座のチャレンジタッチのには2020年から漢字の「とめ・はね・書き順」を自動でチェックする機能が搭載されました。ボタンをスライドさせると、書いた漢字がお手本に近づく画像比較機能があります。
自分の字の汚さに、息子、驚愕…!
- 1年~6年までの漢字をすべて学習できる
- 漢字検定の練習ができる
- 不正解の問題を集めた「解きなおしボックス」がある
- とめ・はねが出来た部分には自動で花丸がつく
- 線が短い/長いと書き直しになる
- 書き順を間違うと△になり、書き直し(正しい書き順と自分の書き順を映像比較する機能がある)
- 自分の書いた漢字とお手本の漢字を比較する機能が充実している(2つの文字を並べて比較、バーをスライドさせると自分の書いた文字が徐々にお手本になっていく画像比較など)
息子は「自分の書いた漢字が徐々にお手本に変化する機能」が気に入りました。
どうやったらきれいな文字がかけるのかが視覚的に分かるので、視覚が優位とされる男子にも伝わりやすいようです。
正直、チャレンジタッチは、タブレット1つで学ぶ本格派のスマイルゼミには劣ると思っていたのですが、良い意味で裏切られました。
☞【進研ゼミ小学講座】の公式HP
聴覚優位の場合
聴覚優位のお子さんの場合は、「耳」から情報を入れてあげるとよりスムーズにいく可能性が増します。
人は「マイナス言葉」に嫌悪感を抱きますから、できない部分を口に出して指摘するのではなく、まずはできている所を褒めることが大切です。
子どもの字が美しくなる「褒め方のポイント」
- きれいな形の字を見つけて褒める
- 1日1個「ひらがな」を褒める
- 漢字は「とめ・はね・はらい」を褒める
①きれいな形の字を見つけて褒める
家で宿題をしている場合は、漢字ドリルをやっている時に。
学童で宿題を済ませてくる場合は、終わった宿題や連絡帳などに書かれた子どもの字を見て、少しずつ褒める回数を増やしていきましょう。
「文字のことを毎日褒めたら、しつこくないかしら」と思われるかもしれませんが、小学校低学年のうちはほぼ毎日新しい字を覚え、先生に直されるので、褒め過ぎにはなりません。
わたしは英語児童講師でもありますが、英語はとことん褒めて伸ばすのが鉄則です。「自宅で英語を学習する際はたくさん褒めましょう!」という内容の本が発売されているにも関わらず、「文字は褒めて伸ばしましょう!」という本がないのが不思議なくらいです。
高学年の場合は思春期が始まっている場合もあるので、様子を見ながら行ってください。
②1日1回「ひらがな」を褒める
人が文章を書くと、文章の70%は「ひらがな」だと言われています。つまり、ひらがなを美しく書けば、字は美しく見えると言えます。
「ひらがな」は必ず毎日書く文字であり、どんなに字が汚い子どもであっても褒めポイントを探しやすい文字です。
たとえば、「ね」や「や」はバランスを取るのが非常に難しいですが、「い」や「し」は形が取りやすく、「きれいに『はらい』ができているね」「この文字、しっかり『はね』られていてカッコいい」など、褒めポイントを見つけることが比較的簡単です。
褒められれば、子どもは自信がつきます。
そして、繰り返し褒めるうちに、「褒められた字はきれいに書こう」という意識が芽生える可能性もあります。余裕があれば、「こんな風に書いたらもっといいな」と修正ポイントを示しましょう。
迷った時は、ぜひ「ひらがな」を褒めてあげてください。
③漢字は「とめ・はね・はらい」を褒める
漢字は、この3つが命です。
小学校低学年のうちは、まだ1つ1つの文字の大きさがバラバラで形が整いません。高学年になると全体的な文字のバランスは整いますが、この「とめ・はね・はらい」は雑になるケースが多く見受けられます。
でも、漢字はこの「とめ・はね・はらい」を意識するだけで、すごくカッコよくなるのです。
また、ひらがな・カタカナにを美しく見せるためのポイントでもあるので、日頃から意識させるのが効果的です。
お子さんが自宅で漢字ドリルに奮闘していたら、一言だけでいいので「この文字カッコいいね。上手に『はらい』ができてる」など声をかけてみると良いかもしれません。
1冊あると便利!ひらがな練習帳、厳選3冊
本屋さんの小学生学習コーナーに行くと、基本的な「ひらがな」「漢字」のドリルノートはもちろん、美しいひらがな・漢字を書くための練習本がいくつか出版されています。
わが家では、息子が2年生の時に『子どもの美文字ひらがな練習帳』という本を購入しました。
- 文字の形を覚えやすい。
- 長方形・三角形・丸形など基本の形がわかる。
- 「止める・跳ねる」などを犬の動作に見立てていて、子どもも納得。
- 「勉強してる」感じが少ない。
- 眺めているだけでもイメージがつかめる。
- 子どものやる気が持続する分量。
という点において、優れていたからです。
わが家ではこんな風に使っています。
- あまりにも字が汚い場合、その文字の書き方を一緒に見る
- 書写の授業で、県や市のコンテストに出品するための練習課題が出たとき、形を学習するために使う
- 褒める時に「お手本みたい!」と言って、見せる
その他にも、子ども用の練習帳は多数出版されています。
参考になりますように!