自主学習法(英語)

ライティングの基本|小学生で身につけたい「書く力」とは

小学生から英語ライティング力を伸ばす方法

英語の「ライティング力」と「小学生」にどんな関係があるのか、不思議に思った方もいらっしゃることと思います。

小学生から自由英作文を書くわけでもないし、ましてや、まだ英語の文法すら学習していない小学生にライティング力を求めるなんて、お門違いな話のようです。

 

しかし、そうではないんです。

 

私は、児童英語、そして大学受験英語の指導に従事し、これまで2500人以上の英作文を添削してきました。中には、東大や京大を目指す学生もいます。彼らの自由英作文を採点するうちに、あることに気が付きました。

 

それは、

英作文の力を伸ばすには、『人の良いところを褒め、受け入れ、自分のものにする力』を小学生のうちから育てていくことが大切だということです。

今回は、これから必須になってくる英語の「書く力」を効率よく伸ばしていくために、小学生の今からできることを考えていきたいと思います。

英語のライティングと「小学生」の関係性

小学生と英語のライティング力の関係性

では、「小学生のうちに人の良いところを褒め、受け入れ、自分のものにすること」で、なぜ「英語のライティング力」が伸びるのでしょうか。

 

それは、ずばり!

「ライティングの基礎力は ”人のまね” をすることでつく」からです。

 

ライティング、すなわち「作文」の基礎力を養うのは小学生の時。小学1年生でひらがな、カタカナ、そして漢字を習い、徐々に長い文章に挑戦していきます。

小学生の授業は、とにかく発表だらけ。

自主性を伸ばすために、絵や作文を書いては、クラス内で見せ合ったり発表しあったりします。そこで、「なるほど!こんな風に書けばいいんだ!」と考えて友達のいいところを学ぶと、もっといい作文が書けるようになる。そして、もっともっと・・・と、スキルアップしていくのです。

 

これは、英語も同じこと。

大学受験の英作文で言えば、模範解答の書き方をまねしたり、表現を覚えることによって格段に英作文の「内容・構成」がよくなります。作文は「内容・構成」が高得点への鍵ですから、良いところはどんどん模倣すればいいのです。

しかし、どうしてでしょう。自分勝手に書いて、得点できない学生が多いのです。

 

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ライティング力が伸びない理由

大学受験で求められる英語力を探ろう

私が担当する、東京大学・京都大学への進学を希望する受験生の英作文には、以下の傾向が見られます。

  • 文章を書く基本がなっていない
  • 文章に一貫性がない
  • オリジナリティを出そうとし過ぎて説得力がない

こういった英作文は、内容・構成面で点数が低くなるため、英語での合格ライン突破が危うくなります。

一方で、高得点をとる受験生の英作文は非常に安定しています。文章を書く基本はしっかりしているし、一貫性もある。そして、具体例があるなど説得力があるのです。

 

つまるところ、英作文でなかなか点数が低い受験生は、英語力があるかどうかという前に、「国語力=文章力」の基礎力がなっていない。よって、上手く英作文が書けないと言えます。

大学受験の頃になると、「模範解答のいいところを真似してみよう」とは簡単に言えません。なぜなら、高校生に求められる自由英作文はテーマが難しく、どこをどう真似していいのか分からない受験生が多いからです。

ですから、身近で簡単なテーマを扱う小学生のうちから、模範となる文章のいいところを真似し、自分ならどのように書くかな~と考える力が重要になります。

添削指導の際は、学生の英作文を丁寧に分析し、よりより構成になるよう修正案を提示します。

ですが、毎回書きながら思うのです。もう少し早くから「文章の基本」を身につけていたら、こんなことにはならないのに…と…。

 

小学生のうちに伸ばしたい力

小学生の国語力は英語力につながる

国語力・文章力を伸ばすには、読書が有効です。最近では、多くの小学校が「読書タイム」を取り入れています。

そして、それに加えて大切なのが「人の良いところを真似る」というスキルです。

この力を十分に養えるのが小学生の間。

ですから、小学生のうちに「人の良いところを褒め、受け入れ、自分のものにする力」を伸ばしていきましょう!

先生から上手だね、と褒められたお友達。
夏休みのコンクールで表彰された他学校の小学生。

「褒められる・表彰される」ということは、つまり「相手に気持ち・考え」が伝わる文章が書けているということ。それに触れ、「こうすればこんな風に書けるんだ」と吸収すれば、次第に作文の書き方、第三者への伝え方が分かるようになっていきます。

 

正直なところ、現在の大学受験や、英検などの検定試験では、オリジナリティは求められていません。

点数をつけて合否を判定するわけですから、オリジナリティがあるから加点・・・となりうる問題は出題されないのが普通です。

よって、設問の指示に適合した解答になっているか、首尾一貫した論理展開になっているか、はたまた、説得力のある書き方ができているかがポイントです。

 

そういった書き方をするには、

  • 幅広い知識を持ち、それについて他の人の意見を吸収すること
  • 模範解答などを見て、その良いポイントを自分のものに出来る力らがあること

という力が育っていることが不可欠。それは、小学生からの思考・体験が基本になっているのです。

英検にせよ、TOEICにせよ、TOEFLにせよ、様々な分野から出題されるライティングで高得点を取るためには、日頃から色々なことに興味を持ち、考える習慣が必要です。そしてそれは、小学生のころから身に付けることが最良と言えます。

「人の良いところを褒め、受け入れ、自分のものにする力」

を自然と身につけるには、大人が子供を褒め、認め、他人の意見を大切にする姿を子供にみせることから始まるのだと思います。

ぜひ、親子で「褒める時間」を増やしてみてください。

 

わが家で「英語のライティング力」を伸ばすためにしていること

参考までに、わが家で実際にしていることをご紹介しようと思います。

  1. 「読書感想文集」を購入する
  2. 過去のコンクール入賞作品のいいところをマネする
  3. 作文の通信講座を受講する

 

(1)読書感想文を購入する

わたしの住む県では、毎年、県の教育センターが「読書感想文集」なるものを発行しています。これは、夏の読書感想文コンクールに入賞した小学生・中学生の作文を集めたものです。小学校で購入者を募るので、必ず買うようにしています。

息子は、同学年の児童が書いた作品を読むのがお気に入り。同学年の作品を読むと「こんな風に書いていいんだ」という発見があるようです。夏休みの宿題で「読書感想文」に取り組む際は、この文集を見たりしています。

このような文集がなくても、コンクールのHPで受賞作品を読むことができます。お子さんが参加するコンクールを検索して、どんな作品があるのか見てみると、面白いですよ。

 

(2)過去の入賞作品のマネをする

読書感想文や図画工作コンクールに出品する絵を描く際は、1の文集や、小学生・中学生などが描いた絵などを参考にし、良いところをマネるよう声をかけています。小学生は「技」の引き出しが少ないので、書きやすくなるようです。

「人のいいところをマネする」ということに関してだけ言えば、作文にこだわる必要はありません。夏休みの宿題の絵画では、中学生の作品から空を描くヒントを得たり、構図を参考にしたりすると、作品の完成度が上がります。

ただし、同じテーマの作品をマネすると、似た絵になってしまう場合もあるので注意が必要です!わが家では、別のテーマの作品をマネしたり、いいところを見つけて自分の表現に活かすようサポートしています。

 

(3)作文の通信講座を受講する

わが家では、「ブンブンどりむ」という、作文に特化した通信教育講座を受講しています。1日10分の学習を週4~6日ほど行い、テキストに沿った内容の添削課題を月2回提出します。

「基本的な書き方」や「比喩表現」・「語彙の使い方」などを少しずつ学び、添削の先生がたくさん褒めてくれるので、効果がありそうです。

わたしは職業柄、ついつい「できていないところ」や「改善点」に目がいってしまうので、添削の先生が書いている「褒めポイント」をマネして、息子を褒めるようにしています。

☟ブンブンどりむについてはこちら

 

高いライティング力を身につけるには、それなりの時間が必要です。

ぜひ、小学校のうちから「基本」を身につけるヒントにしてください。