「英語教育改革がはじまります。」
「小学生から英語が必修化されます。」
などと聞くと、「子どもが英語が苦手にならないように、親として何かすることはないか」、と考えるのが親心。
テレビでは大手英会話スクールの宣伝が連日のように流れていますし、あちらこちらで「小学校英語」という言葉を聞くようになりました。親世代の英語教育から変わると聞いて、不安を抱く保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
小学校に入った子どもに親が出来ることは、学習環境を整えてあげること。そう考えると、少しでも英語が好きになるようにお金をかけてあげたい、と思うのは当然のことです。でも、その親心が、気が付かないうちに子どもが英語嫌いになる原因になる可能性があります。
今回は、子どもが英語を好きになる、好きでいるために親が心がけておきたい7個の秘訣をまとめました。
子供を英語好きにするために親がしてはいけない7か条
英語が「苦手だった・嫌いだった」と答える。

母親:「うーん。どちらかと言えば、苦手だったかな。」
子供:「ふーん、そうなんだ。」
例えば、このような会話。
何気ないやりとりですが、ちょっとした危険が潜んでいるのがお分かりいただけるでしょうか?
その危険は、「子供が親の言葉に良くも悪くも影響を受ける」ことにあります。
子供は、何も考えなしに「得意・不得意」「好き・嫌い」の質問はしてきません。特に、親に尋ねる場合は、子供がその教科で「得意・不得意」と近い何らかの感情を抱き、心のモヤモヤを解消したいという合図であることがあります。
それゆえ、まず、「なぜこのような質問を子どもがしてくるのか」を考えてから答えることが大切になるのです。
子どもが単に得意か苦手か聞きたいだけであれば「不得意だった」と答えてもいいと思いますが、「不得意だったけど、新しいことを知るのは楽しかったな。」「中学生の時は苦手だったけど、高校生になってから好きになったよ。」などと、「不得意・苦手」だけで終わらせないようにするのが得策です。
親の言葉に影響されて、子供が「英語=不得意になるかもしれないもの・楽しくないもの」というイメージを抱かないように気を付けてあげましょう。
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小学校で習うことを否定する。

先日、我が家の息子がこう言いました。
「ママ、” Can you eat pizza? “」
小学校で習った英語を質問してくれたのですが、わたしは即答することができませんでした。
この質問の答えは、” Yes, I can. ” か ” No, I can’t. “のどちらかを答えればいいだけなので、” Yes, I can. “と言ってあげれば良いだけだったのです。ですが、職業病でしょうか…質問の意味に違和感を覚えて答えるのをためらってしまいました。(苦笑)
ちょっとだけ詳しく説明すると、わたしが感じた違和感は、” Can you~” の使い方。質問を直訳すると、「あなたはピザを食べることができますか?」ですが、これは、「(今日のご飯はピザにしようと思うのだけど、ピザアレルギーとかない?とう意味を込めて)ピザを食べられますか?」という意味になります。このやりとりを小学校で学んで来たのかと思うと、少々驚いたのです。しかも、ネイティブの先生から。
せっかくネイティブの先生から習うのだから、子供達が大好きなpizzaを例に、わざわざ不自然な会話を教えなくてもいいのでは?と思ったのですが、市内の小学校で差が出ないようにするための配慮でしょうか、基本表現に英単語をあてはめて覚えるという指導が徹底されているようです。
英語に限ったことではありませんが、「学校で習ったこと」を否定するのはNGです。余程の間違いであれば正す必要があるかもしれませんが、その際も細心の注意が必要となります。(自戒の念を込めて・・・)
子供が英語をしゃべっても、無関心でいる。

子供の性格にもよりますが、小学生低学年は、特に、学校で習ったことを親に自慢したい年頃です。
もし、子供が英語で話かけてきたらトコトン付き合ってあげましょう。親が仕事をしていたり、子供が習い事や友達との交流で忙しかったりと、親子で学校のことを話す機会はさほど多くありません。子供から英語の話をしてきた時は、子供の好奇心を伸ばすまたとないチャンスです!!
学校の話を自分からしないタイプのお子さんの場合は、親から「学校で習ったこと」を質問しても差し支えない場合であれば、聞いてみるものおすすめです。でも、お子さんが「聞いて欲しくない」という表情をしたら、無理強いは禁物!
小学生でまず習うのは、親世代が中学生で習った簡単な表現です。
“Hello! I’m ×××.”
“Do you like ×××?” “Yes, I do./No, I don’t.”
“What food do you like? I like ×××.”
冠詞や単数・複数などは気にせず、会話を楽しむことが「英語=好き」につながります。
「英語ができないと社会で活躍できない」と言う。

これから社会で活躍するには、英語が必要。
よく聞く言葉ではありますが、万が一、子供が英語の授業に興味をしめさなかったり、積極的になれていない場合でも、「英語は将来必要だから勉強すべき」という意味の言葉は避けるのが賢明。その代わりに、「英語ができるとたのしいことがたくさん増えるよ」と言ってあげると、子供の可能性が広がります。
小学生の子どもは、まだまだ将来を想像できません。どのような仕事があるのか、どうやって働くのかも理解していない段階ですから、「英語を使った仕事」をイメージすることは無論できません。
親としては、どんどん英語学習が難しくなるというし、子供の将来を考えると「英語の必要性」を子供に理解して欲しいと思うでしょう。でも、自分の将来をイメージする段階ではない小学生に「将来必ず英語が必要になる」ということを過度に植え付けてしまうとストレスに繋がることがあります。
でも、英語を身近に感じて欲しい!!
そういう時は、子供が「明るい未来」を想像できる言葉に置きかえてあげます。子供は楽しいことが大好きです。「自分の子供が好き・楽しいと思うこと」と「英語」を関連付けた言葉をかけてあげると、子供のやる気につながります。
もちろん、学校の授業を難しく感じたり、英語の授業を楽しいと思えなくなっている状態の子供を無理に励ますのは禁物。まずは、自分の子供の状況をよく理解し、あるがままのお子さんを受け入れてあげることが「英語=好き」につながります!
親本位で英語を勉強させる。

子供のことを思うがあまり、親がしがちな行動が「親が主体になって英語を勉強させること」です。子供が英語を楽しいと思い、進んで取り組む場合は問題ありません。しかし、英語を勉強させたいと思うがあまり、親があれもこれも子供に学習をさせるのは、子供の負担になりかねないのですが、ついついやってしまうのが親心…。
実際、中学校から英語をはじめても、大人になってから英語を勉強しても、英語が話せるようになる人は、話せるようになっていますよね。中学の時はあまり勉強が好きではなかったけど、大人になってから一生懸命勉強して海外で活躍しています!という人は数多くいます。
子供の気はあまり進んでいないけど、どうしても何かさせたい…と思う時は、「英語学習の必要性」を考えてみると良いと思います。例えば…、
このような中学校には、学習意欲の高い子ども達が集まる可能性が高いので、子供の様子を見ながら何かしらの学習をするのは効果的。受験勉強もあるので、無理なく行えるものを子供と一緒に選びましょう。もし、子供が受験勉強で手一杯なのであれば、小学校での英語学習をしっかり定着させる程度でも全く問題ありません。
【No 】
国公市立の小学校から中学校へ進学するのであれば、小学校の授業内容が理解できていれば問題ありません。小学校と中学校はしっかり連携を取ってカリキュラムを作成していますので、小学校で学習することが出来ていれば十分と言えます。
海外に転勤する予定が見えている、その可能性があるのであれば、子供が英語に触れる時間を増やしていきましょう。NHKのテレビ番組をみる、有料の英語番組をみる、ドラえもんなどの英語アニメ本を読む、など、子供が楽しめるものであれば何でもいいでしょう。確実に転勤する、または海外への強い転勤希望があるのであれば、子供としっかり話合い、将来の生活を見据えて親子で英語学習をする機会を作ることが必要です。「海外に行ったら英語を話せるようになる」という考えを聞くことがありますが、答えはNo.です。大人でも子供でも、現地で英語を積極的に吸収しようとしなければ身に付きません。子供のストレスの原因になることもありますので、「親子でしっかり身に付ける」「親が子供のサポートをしっかりする」ことが必須です。
無料体験を詰め込む。

英会話スクールでも、通信講座でも、オンライン英会話でも。今、どこでも無料体験ができる時代になりました。子供に最適な学習方法を見つけるために「体験すること」は非常に大切ですが、以下のことに注意しておくとより効果的な選定ができます。
- 子供がどの程度、英語を学習したいのか?
- いつから英語学習を開始したいのか?
- 子供の予定、忙しさ、精神的な余裕を考えて、どのくらい体験できるのか?
- 現実的に可能な学習方法(=スクール・通信講座・オンライン英会話んど)はどれか?
「まだ、学習をスタートすべきではない」と思ったら、途中で諦める勇気も必要。そして、習い事が増えて「子供の負担になっている」と感じたら、習い事をやめる・減らすという選択も大切です。
子どもの「つぶやき」をやめさせる。

性格にもよりますが、子供って「おしゃべり」ですよね…。
言葉を覚えはじめた頃、言葉を発するのが楽しくて、子供はずーっとしゃべっています。年齢を重ねるにつれ、少しずつ言葉数が減り、小学校高学年になると、口数が少なくなる子供も出てきます。
島国である日本で「英語」を身につける上で、実はとっても大切なのが、この「おしゃべり」。つまり、「つぶやくこと」です。
日本語を例にあげて、考えてみましょう。
生まれた赤ちゃんは、ある一定期間まったくしゃべらず、親からかけられる言葉のシャワーを浴び続けます。そして、脳で言葉を発する回路が出来上がると、次第に覚えた言葉を口に出すようになります。同じ言葉を繰り返したり、オママゴトをしたりして、次々に語彙・表現を習得していきます。
英語を上達するためには、この「インプット」と「アウトプット」の作業が同じく必要なのです。当たり前ですが、日本には日本語が溢れかえっていますから、意識的に英語を習得するためには、自ら積極的に「インプット」と「アウトプット」をしていかなければなりません。
小学生の子どもは、この両方が非常に得意です。興味を持ったことは、良いことであれ悪いことであれ、すぐに真似をして覚えてしまいます。そして、それをたくさん話します。
小学校低学年のうちは、特に、大人がうるさいと思うほど、これがあれがと話を続けたりもします。高学年になると、この「おしゃべり=つぶやき」は少しずつ減っていきますが、英語学習の観点から考えると、この力は非常に大切。そして英語を上達させるうえで有効な手段になるのです。
もし、単にこどもの独り言や、親への話かけが「うるさいな」と思う程度であれば、それを止めずに放置してみましょう。子供が言葉を発する、ということは、言語を習得する過程で重要であり、大人が必要以上に留めるのはもったいないことだと言えます。
まとめ
今回は、「英語好きな子供を育てるために、親がしてはいけないこと」を7つご紹介しました。
- 英語が「苦手だった・嫌いだった」と答える。
- 小学校で習うことを否定する。
- 子供がしゃべっても、無関心でいる。
- 「英語ができないと社会で活躍できない」と言う。
- 親本位で英語を勉強させる。
- 無料体験をつめこむ。
- 子供の「つぶやき」をやめさせる。
ぜひ、参考になさってください。