小学校2年生の国語の教科書に載っている『お手紙(おてがみ)』。
著者は、アメリカの絵本作家Arnold Lobel(アーノルト・ノーベル)氏で、『Frog and Toad Are Friends(ふたりはともだち)』のお話の1つです。
「かえるくん」と「がまくん」という、ほのぼのとしたキャラクターと心温まる友情の物語は、子どもたちにも大人気。私の息子が通う小学校では、このお話を使った劇を作り、新1年生への発表のプレゼントをしています。
今回は、この『ふたりはともだち』を英語で楽しめる教材の「内容・感想・使い方」をご紹介します。
〔CD付〕英語版絵本のあらすじ
『ふたりはともだち』の英語版がたのしめる『Frog and Toad Are Friends』は、アメリカのHarper Collins Piblishers(ハーパーコリンズ出版社)から出版されている、こども向け絵本『I Can Readシリーズ』で読むことができます。
これが、わが家にある実物の写真です。
収録されているのは、5話。
- SPRING(はるがきた)
- THE STORY(おはなし)
- A LOST BUTTON(なくしたボタン)
- A SWIM(すいえい)
- THE LETTER(おてがみ)
SPRING(はるがきた)
春がやってきて、がまくんの家に来たかえるくん。「春が来たよ」と教えてあげても、がまくんは一向にベッドから出てこようとしません。「5月が半分過ぎたら起こしに来てよ」というがまくんに、かえるくんは11月からそのままのカレンダーをめくり始めました。
THE STRORY(おはなし)
夏のある日、かえるくんは体調がすぐれません。そんなかえるくんは、がまくんに「休んでいる間、お話しをして欲しい」とお願いをしました。考えても、考えても、何1つお話が思いつけないかえるくん。とうとう頭を壁にぶつけたり、逆立ちをし始めました。
A LOST BUTTON(なくしたボタン)
がまくんとかえるくんが遠くから返ってくると、がまくんの上着のボタンが1つないことに気がつきました。通ってきた道を戻って探しに行くと、いろいろな形のボタンが・・・。
A SWIM(すいえい)
がまくんとかえるくんは、水泳をしに川へやって来ました。がまくんは水着姿を見られたくありません。川へやってくるカメやトカゲに「変に見えるからかえって欲しい」というがまくんですが、言われれば言われるほど、みんなはがまくんの水着姿を見たくなってしまうのです・・・。
THE LETTER(おてがみ)
がまくんが、何やら玄関で悩んでいます。お手紙を今までもらったことのないがまくんは、ずっと手紙がくるのを待っていたのです。かえるくんは、内緒でお手紙を書くことにしました。そして、配達を親友のかたつむりくんに頼んだのですが・・・。
最後の『おてがみ』は、小学生の国語の教科書にも使われています。
わたしも小学校で勉強した記憶があるので、読んだことのある方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
教科書掲載の和訳版は11ページ。英語版と同じ挿絵を使用しています。
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各ストーリーの登場人物
主となる登場人物/キャラクターは、「がまくん(Toad)」と「かえるくん(Frog)」の2匹。
『はるがきた』と『おはなし』は2匹だけですが、他の3作品では、可愛らしい生物たちが登場します。
- 『なくしたボタン』-すずめ1羽(a sparrow)、あらいぐま1匹(a raccoon)、
- 『すいえい』-かめ1匹(a turtle)、とかげ3匹(lizards)、へび1匹(a snake)、とんぼ2匹(dragonflies)、野ネズミ1匹(a field mouse)
- 『おてがみ』-かたつむり1匹(a snail)
『ふたりはともだち』の英語レベル
I Can Read! シリーズのレベルは、ぜんぶで5種類。
『ふたりはともだち』は、レベル2です。
- My First-入門者向け
(基本語彙の反復、大人と一緒に読むレベル。) - レベル1-初級者向け
(身近な語彙を用いた短文を読む。子どもが自分で読みたくなるような内容。) - レベル2-まだ大人の手伝いが必要なレベル。やや長めの物語・文が登場。
- レベル3-子ども1人で読めるレベル。複雑な描写や、難しい語彙が登場。
- レベル4-7~10歳のネイティブ向けの本への橋渡しになるレベル。
ネイティブ向けの絵本なので、日本人の子どもには難しめかもしれません。
でも、レベル2までは基本的な語彙・表現が使われているので、お子さんが知っている/興味がある内容の物語であれば、学習に使うことができます。
とくに『ふたりはともだち』は、がまくんとかえるくんの会話が多いので、「語り」の部分が理解できなくても、「会話表現」を覚えることができます。
実は、この「がまくん・かえるくん」シリーズは、高校の教科書にもつかわれている物語。東京書籍から出版されている高校1年生用の「英語コミュニケーションⅠ “ALL AboardⅠ”」には、『Alone(ひとりになるということ)』というお話が用いられています。
小学生のころから文法にとらわれずに物語を楽しんでおくことで、中学・高校の英語学習がぐんと楽になりますよ。
この英語絵本をつかった学習方法
どの小学校でも必ず宿題に「音読」がでており、子ども達は毎日のように『おてがみ』のお話を読んでいます。ですので、学校の教科書に載っていれば、物語の内容はほとんど理解できていると考えて問題ありません。
ただし、英語学習になれていないお子さんの場合、内容を知っている話であっても、日本語と英語では「別物」に感じられることがあります。
特に、この英語絵本に付属しているCDは、ネイティブの子ども向けなので、ナチュラルスピードで収録されています。日本で発売されている英語教材よりも音声スピードが速いので、CDをかける際は工夫が必要です。
そこで、わが家で実際に使った学習法をご紹介しますね。
「あべこべ」リピーティング
一般的な英語学習法でつかわれるのが「リピーティング」という方法です。英語の音声を聴いて、それを真似して発音練習するやり方です。
英語を英語で真似るのは、子どもには難しいので、次のように変えてみます。
- 子どもが日本語で1文読む
- 続けて、1で読んだ文の英語をCDで流す
- (1・2を繰り返す)
- 英語のCDを1文流す
- 続けて、子どもが4で流れた文の日本語訳を読む
通常の学習法とは逆で、「子ども→CDの順、日本語→英語の順」にするところがポイントです。
たとえば、
子ども:『どうしたんだい、がまがえるくん。』
英語CD:『What is the matter, Toad?』
子ども:『きみ、かなしそうだね。』
英語CD:『You are looking sad.』
・・・
子ども:『そりゃ、どういうわけ?』
英語CD:『Why is that?』
となります。
わたしが気に入っているのは、日本の英語授業で行われる「不自然な英文和訳」ではなく、自然な流れで英語を日本語理解できるところです。
What is the matter?=「どうしましたか?」
Why is that?=「それはなぜですか?」
などと覚えると、どうしてもその表現から抜け出すのが難しくなります。でも、がまくんの会話から学べば、「友達と話していて、理由を知りたいときに使う表現」であることをしっかり理解することができます。
絵本の会話表現を、日常に置き換える
親子で ”What is the matter, Toad?” などの表現に慣れたら、日常生活で使っていきましょう。
親が恥ずかしがらずに使うと、子どももそれに乗ってきます。
お子さんが朝、眠そうだったら『きみ、かなしそうだね(You are looking sad.)』を変えて、『眠そうね(You are looking sleepy.)』と言ってみたり。
買い物に行って、帰宅した方がよい時間だったら『ぼく、もう家へ帰らなくちゃ、がまくん。しなくちゃいけないことがあるんだ』を『もう帰らなくちゃ、やらなきゃいけないことがあるわ』と考えて “We have to go home now. There is something that I must do.”などと言ってみましょう。
『ふたりはともだち』にある表現は、そのまま日常会話で使えるものばかり
です。丸暗記したら、結構な英語力がつきますよ!
英語絵本を購入する方法
紀伊国屋書店などの、洋書を取り扱っている書店さんや、Amazon・楽天などでも購入することができます。輸入版は在庫切れのことも多いので、お気をつけください。
米国Amazonサイトで購入でも購入できますよ。(25ドル以上の購入で配送料無料/2018.10時点)
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FROG AND TOAD ARE FRIENDS(PB W/CD) [ ARNOLD LOBEL ] 価格:1,108円 |
お読みいただき、ありがとうございました!