大学受験は「英検」が1番?!英語民間試験で合格した私の体験談

2019-07-03

こんにちは。

英語講師のSAOです。

大学入学共通テストで「英語民間試験」が活用されるまで、あと少しとなりました。

実際に新システムで入試が行われるのは「2021年1月」ですが、その年に受験する高校生は、今年の11月から入試に向けた準備(ID申請など)をすることになります。
☞2021年までの予定を確認する(ページ下部へ移動します)

最初にこの新制度を利用するのは、現在の高校2年生です。最近では、難関大学に合格するには高3の夏までに基礎知識をつけ、夏休みからは過去問演習やジャンル別演習をするのが一般的ですから、子どもも親も気持ちの準備をしていかなければいけません。

ところが!

7月2日に、TOEICが大学入学共通テストへの参加を取りやめを発表しました。

あと1年ちょっとというこの時期に、大学入学共通テストそのものや、英語民間試験に対して懸念を示すマスメディアを目にすることもあり、不安を感じている高校生・保護者の方も多いのではないでしょうか?

でも、実のところ、英語民間試験を入試で活用するのは、今回が初めてではありません。

昔から、推薦入試では「英検・TOEIC・TOEFL」などのスコアが受験資格として使われており、わたしは一般受験の準備をしながら、英語民間試験を活用して志望大学に合格しました。

センター試験の勉強をし、推薦入試の受験資格を得るために英語民間試験を複数受け、推薦入試の準備もする…という、忙しい日々。

ここでは、経験をしたからこそ分かる「英語民間試験と上手に付きあいながら大学受験をする方法」をお話しようと思います。

こんなことが分かります。

大学入学共通テストの基本情報
これから何をどうすればいい?高校生がこれからすること
英語民間試験を使って受験した体験談
自分にぴったりの英語民間試験の選び方

ぜひ、参考にしてください。

 

大学入学共通テストとは?

大学入学共通テストの英語ではどの民間試験を選ぶべきか

簡単にまとめると、このようになります。

☝大学入学共通テストとは

  • センター試験にかわり、2020年度から行われる新試験の名称
  • センター試験を運営している「大学入学センター」が引きつづき実施・運営する
  • 大学入学共通テストの英語は「読む・聞く」を評価。「話す・書く」は民間試験の結果を採用
  • 試験の成績は「国立大学が合否判定のために使う基本資料」になる

実は、「大学入学共通テスト」そのものは、センター試験とさほど変わりはありません。

大きな変更は、大学入学共通テストでは測るのがむずかしい「話す・書く」の技能を評価できる「英語民間試験の活用」が加わったことです。

世界的にみても、英語能力が低い日本。

これからの子ども達は、英語4技能(話す・聞く・読む・書く)をバランスよく身につけ、現実社会で活用できる人材に育つことが望まれます。

しかし、現行の英語試験(=センター試験)は「発音・語彙並べ替え・文章問題など」をマークシート形式で解答するもので、「話す・書く」の技能を測ることができませんでした。

本来であれば、センター試験を「4技能が測れる英語試験」にできれば良いのですが、センター試験は全国数十万人が一斉に受けるテスト。とくに「話す力」を測ろうと思うと、面接担当者の確保が必要だったりと、全国統一した基準で行うのがむずかしくなります。

そこで、多くの大学がすでに使っている英語民間試験を活用することになったのです。

 

 

2020年度~の大学受験英語はこうなる!

2020年度からの大学受験英語は、

  • 【2020~2023年度】
    大学入学共通テストと英語民間試験の併用
    マークシート形式で2技能(読む・聞く)を測る「大学入学共通テスト」と、4技能(話す・聞く・読む・書く)を評価する「英語民間試験」を併用
    ※大学によっては、英語民間試験の成績を活用しないところもある。(例)東北大・慶應義塾大
  • 【2024年度~】
    ☞大学入学共通テストはなくなり、英語民間試験だけ

となります。

2023年度までは、現在のセンター試験と似たようなマークシート形式のテストを受験し、(志望する大学が英語民間試験の成績を活用する場合は)英語民間試験も受けることになります。

2024年度からは、マークシート形式の試験が廃止され、英語民間試験だけです。

ただし、志望する大学が英語民間試験を活用しない場合は、その大学独自の英語試験を受けることになります。

大学によって対応がちがうので、志望大学のHPは定期的に確認することが大切です。

 

これから何をすればいい?高校生がすべきこと。

大学入学共通テストと英語民間試験の活用がはじまるのは、2020年度の入試から。

まだ1年ある…と思いきや、11月頃から準備がはじまります。

☝これからの流れ

  • 【2019年11月頃~】
    共通IDの申請
    ☞高2は学校を通じて、既卒生は大学入試センターに共通IDを申請する
  • 【2019年12月~2020年1月頃】
    大学入試センターがIDを発行・通知
  • 【2020年4月】
    英語民間試験の受験が可能になる(受験申込時にIDを登録。4月~12月の2回分まで申請可能)
  • 【2020年9月~】
    総合型選抜(現AO入試)スタート
  • 【2020年11月~】
    学校推薦型選抜(推薦入試)スタート
  • 【2021年1月】
    第1回大学入学共通テスト
  • 【2021年1月~】
    国公私立大の個別試験スタート

現役生の場合、例外を除いて「高校3年生の4~12月の間に2回まで」の受験成績を申請できます。

大学受験の早期化・高校の授業が受験対策に偏ることを防ぐために「高3」に限定、また受験回数の公平さを保つために「2回」に制限されました。

浪人生は授業への影響がないため、「受験する年度の2回+前年度の2回」(=計4回)の成績が申請可能です。ただし、前年度2回分の成績を合否の判断材料にするかは、各大学にゆだねられます。

その他、高校2年生の段階で「国際標準規格CEFR(セファール)B2以上」の成績をとった者で、経済的理由などがある場合は高2の成績も使えることになっています。

文部科学省による民間試験8種のCEFR(セファール)対照表

英語民間試験7つを徹底比較

大学入試センターでは7種類の試験を認定していましたが、2019年7月2日にTOEICが撤退を発表しました。結果、対象となるのは7試験(ケンブリッジ、英検、GTEC、IELTS、TEAP、TOEFL)になります。

☝参加検定の概要・受験料
大学入学共通テストで使える英語の民間試験8種の比較表

実用英語検定(=英検)については、大学入試センターに申請するものの場合は「新方式の英検」を受験する必要があります。新方式の英検は、全部で3タイプ。その中でメインとなるのが「S-CBT」と呼ばれる形式です。

推薦やAO入試などで大学に直接申請する場合は、従来の英検で可能な場合があります。
☞詳しくはこちら(大学受験者向け英検特設ページ)

どれも大学入試センターが定める基準をクリアしたものですが、検定試験の目的・特徴が異なるため、公平性を疑問視する声もあがっています。

また、検定料もそれぞれ。

ケンブリッジ英語検定や英検、GTECでは、レベルが上がると検定料も高くなります。

 

TOEICは離脱、英検は会場増設へ!

TOEIC離脱の記事を新聞でよんだとき、開いた口がふさがりませんでした。飽きれたというよりは、この時期に、しかも認定を受けたにも関わらず離脱するなんて…という驚きの気持ちです。

◇TOEIC離脱の影響

朝日新聞(2019年7月2日付)によると、離脱の最大の理由は「(TOEICを運営するIIBC:国際ビジネスコミュニケーション協会が)大学入試センターが求める通りに成績提供などを行うことが困難だから」だそうです。

TOEICは、「読む・聞く」技能を測るテストと、「話す・書く」を測るテストを別々に行っています。当初は、これら2つを別々に大学入試センターへ情報提供する予定でした。しかし、2つのテストを合わせた結果をセンターに提供すること、2つのテストをできるだけ近い時期で実施すること、そして実施会場を増やすことを求められ、お手上げ状態になったのです。

昨年、文部科学省が高校生に行った調査によると、TOEICを受ける意思を示したのは、全体の1.8%(約1万人)でした。

TOEICを会場に行くと、高校生、ちらほら見かけるんですよね。これ以上遅い時期に発表されなくて良かったとも思いますが、真剣に勉強に取り組む高校生のことを考えると、いたたまれません。

 

◇英検は186エリア・260会場へ

TOEICと対照的なのが、英検です。

英検(日本英語検定協会)は、大学入学共通テストのタイミングに合わせ、テスト方式を3タイプ用意しています。主となるのが「S-CBT」で、全都道府県186エリアに、約260会場を設置。

受験生は、最大で2回の受験が可能。希望者全員が受けられるように、2020年4月~11月は毎月実施する予定です。

☝英検受験の流れ

  1. 【高校生】予約申し込み
    ・第1回-4月~7月
    ・第2回-8月~11月
  2. 【協会】予約人数に応じて実施日・実施回数・会場を調整。

※費用:3級5,800円/準2級6,900円/2級7,500円/準1級9,800円

 

各大学の反応は?

民間試験7種の比較表でみる通り、受験料は安くありません。英検準1級レベル(=CEFRのB2レベル)を取得しようと思った場合、最も安いGTECでも9,720円です。

また、高3で良い成績をとるための準備として、高1・2の間に予備受験をすることも考えられます。経済的余裕のある家庭はたくさん準備ができても、そうでない場合は十分な準備ができない可能性も出てきます。

それ以外に、民間試験の年間回数や受験会場などが試験によって異なるため、この制度を使うか否か、大学はとても慎重です。

2018年9月には、東京大学が「民間試験の成績結果の提出を必須とせず、独自の基準で入学試験を行う」と発表しました。

民間試験をどう使うかは、大学の指針次第。

2020年度の入試に向けて、早めに指針を発表している大学もありますので、気になる大学の情報は今からしっかり集めておきましょう。

 

英語民間試験で大学受験した「私の体験談」

そもそも、大学受験に英語の民間試験を活用することは、今に始まったことではありません。

大学の推薦・AO入試では昔から、一定レベル以上の学力をもつ受験者を集めるために、民間試験を使ってきました。

わたしは、英語民間試験を使って大学受験をした1人。その時の体験談を、少しお話したいと思います。

 

◇好成績を出すために複数回受験

わたしが上智大学を受験した約20年前。

一般公募の推薦入試を受けるためには、高校での成績に加えて「TOEIC730点以上/TOEFL550点以上/英検準1級以上」が必須条件でした。この3種類のうち、どれか1つを満たせば出願できる仕組みです。

わたしが在籍していた中学校は、団体で英検受験をする方針でした。そのため、英検には多少慣れていましたが、当時の英検は「合格」か「不合格」しか出なかったので、とても不安でした。TOEICはビジネス向け、TOEFLは英語圏の大学へ留学する学生向けで、わたしには難しく感じました。

その時の推薦基準では、英語民間試験の受験回数制限はなかったので、「英検・TOEIC・TOEFL」の3種類をすべてを受験しました。

かっかったお金は、総額50,000円以上。

学校で団体受験していた英検や、習い事で受けたTOEICも合わせると、英語民間試験にいくらかけのたのか怖くなります。高3でかかった費用は、親に悪い気がして、貯めていたお年玉から捻出しました。

正直、貯金をしていなかったら、本番に向けた受験はできなかったと思います。

さて、結果はというと、

かろうじて全ての試験基準をクリア。

どの試験の結果を願書に記載しても受験資格は得られたのですが、TOEICとTOEFLは数字が出てしまうため、英検を記載することにしました。自分の英語が基準ぎりぎりであることを知られたくなかったからです。

 

◇合格すれば、みな同じ。英語だけに気を取られないこと!

民間試験の成績申請は、本試験が受けれるかどうかを決める判断材料でしかありません。

本試験では、アメリカ・イギリス・オーストラリア・インド出身の教授たちが自らの声を吹き込んだテープを使ってのリスニングに加え、A4サイズ1枚の和訳問題、ライティング、そして英語・日本語での面接がありました。

リスニングは手ごたえがあったのですが、後は乗り越えた感じ。どうにかこうにか、合格にこぎつけることができました。

入学して間もなく、友達・先輩のほとんどがTOEIC900点以上を持っているということを知りました。先輩からは、「(英語を専門にする学科なので)950点くらいは持っていてあたり前」と言われ、恥ずかしくて自分の点数は言えなかったことを覚えています。

「民間試験の英語は、受験者を絞るための方法に過ぎない」

「合格してしまえば、TOEIC800点も、990点も同じ」

だから、受験では英語の試験だけに気を取られず、他の教科もしっかり学習することが大切だと思いました。いくら民間試験の点数が高くても、他の教科ができていなければ総合結果は悪くなってしまうのですから・・・。

 

より高得点がでる英語民間試験の見つけ方

もう1つ、実際に英語民間試験をつかって受験をし、わかったことがあります。

それは、自分が高得点を出せる試験をみつけることが大事だということです。

これと似た意見が、大学入学共通テストに関する記事に掲載されていました。(2018年10月21日付の朝日新聞・朝刊)

民間試験を実施する複数の団体によると「受験者によって相性がある」という。「同じ人間が複数の試験を受けて、CEFRがばらばらになる例もある」と明かされた。

英語民間試験の実施団体がそういうのですから、これは紛れもない事実。

そうすると、自分が高得点を出せる(=相性のよい)英語民間試験を見つけるためには、事前の下調べが重要になります。

☝英語民間試験7つの特徴

  • ケンブリッジ英語検定
    「イギリス英語」が用いられるため、日本人に馴染みの深い「アメリカ英語」とは発音・リズムなどが異なる。また、スピーキングテストは複数の受験者が一緒に受け、対話する形式もある。
  • 新方式の英検
    ☞詳しくは「英検HP:従来の英検と新方式の英検を知ろう!」
  • GTEC(ジーテック)
    日本の中学1年生~高校3年生を対象に開発された試験で、4つのコースがある。大学の講義や学生同士の会話など、大学生活で使われる内容が中心。
  • IELTS(アイエルツ)
    海外留学や研修のための英語証明に加え、海外移住の申請に適している。世界140ヵ国で受験することができる世界基準のテスト。
  • TEAP / TEAP CBT
    日本の高校3年生を対象とした大学入試を想定して開発された、「大学教育レベルの英語力」を測るためのテスト。英語検定協会と上智大学が開発。
  • TOEFL iBT
    英語圏の大学への留学を希望する学生の英語力を測るテスト。大学の講義や討論など、学術的な内容が多い。
  • TOEIC
    ビジネスや日常生活での英語力を測るためのテスト。大学共通テストでは、L&RとS&Wの両方受験が求められる。

正直なところ、日本の高校生が受験しやすいのは「英検・GTEC」でしょう。

とくにGTECは、受験会場の増設に力を入れており、英語検定試験のなかでは価格も安め。学校での団体受験もできるので、今後人気がでてくると考えられています。

 

受験するならやっぱり英検?GTECは?

ほかの民間試験に比べて、英検は「小学生からでも受験できる」ことが特徴の1つです。子どもが「公共の場で試験を受ける」ことに慣れるには最適な試験と言えます。

ただし、大学共通テストで英検を使う場合は、従来の英検ではなく「新方式の英検」を受験する必要があります。

新方式の英検でも「従来型と出題形式などは同じ」です。受け方など、が異なる部分もありますので、英検だから大丈夫と思わずにしっかりと調べることが大切です。

小学生や中学生のうちは「英検」が一番受けやすいかと思いますが、高校生にとっては「GTEC」や「TEAP」の方が大学生活に直結しているのでわかりやすい、という場合もあるかもしれません。

ぜひ、ホームページや公式ガイドブックなどを見て、相性のよい民間試験を見つけてくださいね!

☞英検の公式ホームページ
☞GTECの公式ホームページ
☞TEAPの公式ホームページ