小学校の宿題で必ずでる「音読」の宿題、みなさんのご家庭では毎日できていますか?
漢字・計算ドリルの宿題に時間がかかり、音読まで手が回らない。ちょっとだけ教科書を読んで全部読んだことにしている・・・なんていう話を、ちらほら聞くことがあります。
でも、音読は国語力を伸ばす効率的な学習法なので、しっかり取り組んでおきたいものです。
しかも、明治大学文学部の教授で『声に出して読みたい日本語』など、ベストセラー本を多数執筆している齋藤孝先生によると、音読には「成績UPにつながる7つの効果」があると言います。
このページでは、音読がもたらす効果と、音読が苦手な小学生でも楽しんでできる学習法をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。
音読がもたらす「7つの効果」
齋藤先生は「音読をして教養を深める本」を多数執筆されています。
その中の1つ、小学生向けのドリル『国語の力がグングン伸びる1分間速音読ドリル』の中で、音読には次のような効果があると解説されています。
- 集中力がUPする
- 注意力がUPする
- 頭の回転が速くなる
- 記憶力が高まる
- やる気が湧いてくる
- 語彙力が高まる
- テキパキ話せるようになる
※本には「1分間速音読ドリル」を使って学習した場合の効果があと2つ紹介されています。
ここで言う音読とは、「音読を速くすること=速音読」を指します。
初めて読む文章でも、何回もくり返し音読をすると少しずつ早く読めるようになりますよね。通常の音読に慣れたら音読のスピードをあげて「速音読」にすることで、脳の活動が活性化されて記憶力がアップしたり、脳内での情報処理がスピードアップするなどの効果があります。
そしてこれは「勉強そのものが苦手な小学生」や「音読をするのが面倒でやらない小学生」に効果てきめん!なんです。
小学生が音読をやりたがらない「4つの理由」
そもそも、小学生が音読をやりたがらないのには理由があります。
音読をやりたがらない小学生を「やる気」にさせるには、子ども達の「気持ちそのもの」に変わってもらわなければなりません。それには、まず親が子どもの気持ちを理解することが大切です。
☝音読がめんどうな理由
- 学校でたくさん音読している
- 同じ話ばかりでつまらない
- 学年があがるにつれ、1つの話が長くなり読むのが大変
- 計算/漢字ドリルや自主学習だけで手一杯
【1】学校でたくさん音読している!
小学校でも音読の時間があります。とくに低学年の場合は、国語の時間にまず音読。内容を理解するためにグループにわかれて演じたり、学校公開日(授業参観)で音読や暗唱発表をする学校もあります。
学校で暗唱するくらいまで音読をしていても、自宅に帰ってまた音読…。
「音読は大切だ」とわかっていても、家に帰ってまでしなくてもいいじゃないか…。そう考えて音読の宿題をやらずに済ませたくなります。
【2】同じ話ばかりでつまらない!
音読の宿題が「教科書」に限られる場合、その時に学習しているお話を音読するのが一般的です。国語の授業はほかの授業よりもコマ数が多いので、小学生は何回も同じ話を読むことになります。
すると、どうでしょう。
子ども達は、話を丸暗記してしまいます!
とくに、子どもは9歳までは「暗記の天才」です。脳科学では、抽象的なものの考え方ができるようになるのが9歳頃とされており、それまでは具体的なものの考え方しかできないので、事柄をそのまま覚えるおとに長けているといいます。
短い文章であれば、なおのこと。
暗記するほどくり返し音読している文章を、また家でも音読する。親に「音読しなさい」と言われる。これほど飽き飽きすることはないでしょう…。
【3】学年があがると文章が長くなる!
わが家の息子も、毎日音読と格闘しています。
小1・小2のときは、短い文章を2回・3回と読むことが宿題でした。息子は「何度も読んでいる文章をくり返すのがつまらない…」と言って渋っていました。
小3になると、急に文章が長くなりました。1つを読むのに10分かかることもあり、先生の指導通りに強弱をつけてしっかり読もうとすると、時間がどんどん過ぎていきます。「文章が長くて最後まで読みたくない」そう言って、度々音読をしぶるようになりました。
学年があがれば、それだけ文章も長くなります。子どもも大変です。
【4】計算・漢字ドリルだけで手一杯!
ドリル学習は基礎学力をつけるための基本中の基本なので、ほとんどの小学校で毎日のように宿題になります。そして、「期日までに2回くり返す」とか「月に1回、計算・漢字テストがある」とか、定着度を高めるための学習が必要にもなります。
ドリルが終わったら一休みしたい。そういって、音読の宿題を忘れることもあるでしょう。
このように、小学生からすると「家で音読の宿題をしたくない理由」はたくさんあります。
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音読をゲームに変える方法①「速音読」
速音読は、とっても簡単です。
用意するのは「国語の教科書」と「ストップウォッチ」だけ。
いつもの音読は、句読点(。や、)を気にしたり、アクセントをつけたりして丁寧に読みますが、速音読ではそれらをあまり気にせずに「できるだけ速く」読みます。
☝ポイント
- ストップウォッチを使い、記録をつける
- 兄弟や姉妹、親で対戦してみる
- 毎日1回の音読記録を、比較してみる
小学生にとって、音読は「口を大きく開けて、はっきりと、丁寧に読むもの」です。でも、これをタイムトライアルにするだけで、ゲーム見たいで楽しくなりますよ!
音読をゲームに変える方法②「素材を変える」
音読の宿題といったら「国語の教科書」を読むのが基本ですが、学校の指定がない場合は、子どもの好きな本や、速音読の用のドリルをつかうのもおススメです。
わが家では、齋藤孝先生著書の『国語の力がグングン伸びる1分間速音読ドリル』をつかっています。
夏目漱石や太宰治といった文豪の作品を速音読するためのドリルで、各ページには記録表(10回分)がついています。段落ごとの「目標秒数」も書いてあるので、小1から小6まで学年を問わず楽しめますよ。
音読をゲーム化して、「子どもがついついやっちゃうもの」にしていきましょう!