
Z会中学受験コースは4科目(国語・算数・理科・社会)の中から、自由に1科目ずつ選ぶことができます。
このページでは、Z会中学受験コースの「理科」について、日々の学習と受講した感想をご紹介します。重要ポイントは黒板画像にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
Z会の中学受験コースについて知りたい方。「国語と算数」は受けたいけれど「理科・社会」はどうしよう?とお考えの方の参考になれば嬉しいです。
3年から理科の受験勉強が必要な理由

Z会中学受験コースに限らず、大手学習塾を検討する場合でも「理科と社会はいつから学習したらよいのか」は迷うところです。
大手の学習塾の場合、本格的な受験学習がスタートするのは4年生(3年生の2月あたり)から。3年生のうちは、中学受験の下準備として「学ぶ楽しさを知る」授業をする塾がほとんどです。
御三家に強いことで有名なSAPIXでさえも、3年生から理科の授業はあるものの、その目的は「身の回りの自然や現象について科学的な視点がもてるようになること」です。日能研は4年生からですが、3年生では科学者講座(=日常生活から感じられる自然や社会について、その背景やそこで起こる事象について考える講座)を受講することができます。
つまり、3年生の理科は「身近なことに興味をもち、自ら考えて調べる姿勢」を養うことが大切!
それをコツコツ1年間積み上げ、本格的な中学受験勉強がはじまった時に「あ!これは3年生の時に体験したことだ!」と体験と知識がむすびつくようにすれば、子どもが理解しづらい分野でも、ある程度スムーズに学習することができます。
もちろん、これは各家庭でも十分できることなので、わざわざ塾に行ったりZ会をしなくてもOK。
ただ注意したいのは、難関中学であればあるほど、「理科」は高得点を取ってあたり前の教科であるということです。
差がつくのは、算数や国語。
だからこそ、比較的時間のある3年生のうちは、いろんなことに興味をもつような機会を多分に作ってあげることが大切と言えます。
Z会中学受験コース「理科」のカリキュラム・学習量
Z会中学受験コースの3年生「理科」も大手学習塾と同じく、「身近なことに興味をもち、自ら調べる姿勢を養うカリキュラム」です。
Z会では、通信教育講座の特徴である「自宅で自由に学習できる」点を生かし、小学校ではあまり扱われないけれど、子どもが苦手意識を持ちやすい分野の「体験学習」を行い、映像授業・練習問題・てんさく問題の3本立てで理解を深めるプログラムになっています。
受講期間は4月~翌年の1月。
2月からは新4年生のプログラムになります。
問題をスラスラ解けるようにすることが目的ではないので、1カ月の学習時間は2時間30分と、国語・算数より短めです。
学習サイクルは、まず毎月第1回目に「体験学習(60分)」を行い、次に映像授業での「要点確認+練習問題(30分×2回)」、そして最後に「てんさく問題」を提出・復習します。
全10回の学習で1番多いのが「物理」の分野です。
5月号の「色がかわるまほうの水(化学)」、8月号の「たんけん!生き物の世界(生物)」以外はすべて物理。
確かに、浮力や音の原則は理解しづらいですよね。
大人でも理解しづらい分野ですが、体験学習では実際に音の振動を体感してみたり、「ふちんし」という道具を作って浮力を視覚と触覚で確認するなど、さまざまな工夫がされています。
実験に必要な道具は、毎月の学習がはじまる前に届く「担任の先生からメッセージ」を確認してそろえておきます。割り箸やストローなど、100均で購入できるものばかりです。
家庭で準備するのがむずかしい豆電球などは、テキストと一緒にZ会が送付してくれます。
Z会体験学習の様子(5月)
5月の学習テーマは「色がかわる まほうの水」です。
紫キャベツの色水を作って、水溶液の性質を理解します。
4月20頃に、担任の先生からメッセージ「5月号理科体験学習のお知らせ」がタブレットに届きました。学習するテーマと準備するものが書いてあるので、それを参考に少しずつそろえていきます。
【用意したもの】
- 紫キャベツ(赤キャベツ)の葉1~2枚程度 →手に入らなければ「グレープジュース」でも代用可能
- お湯(38~42℃)
- 酢、重曹(炭酸ナトリウム)、食塩
- たまごのパック×1
- コップ×3
- お弁当の醤油入れ×3
- 白い紙×1
- ビニール袋×1
- スプーン×1
わが家で購入したのは「紫キャベツ」のみ。
近くのスーパーで100~200円で購入可能。見つけづらい場所にあることが多いので、購入される場合は店員さんに聞くのが手っ取り早いです。
グレープジュースでも代用できると教材に書いてありましたが、紫キャベツから色水を作ることで「野菜をつぶすと色がでてくる」ことが良く分かった様子。

ビニール袋の中に、カットした紫キャベツとお湯を入れ、揉んだり叩いたりするのですが、結構大変でした。
体験学習は、テキスト教材(エブリスタディアドバンスト)と映像授業が見れれば、子どもだけでも進められます。(※10月の豆電球は保護者と一緒にとの指示あり)
最初は自由に体験してもらっていたのですが、揉んでも叩いても、紫キャベツの色が出てこないので、包丁で細かく刻んで綿棒でたたく作戦に変更しました。
できた色水を、たまごのパックに少しずつ注ぎ、そこに「酢」と「重曹」を溶かした水溶液、「食塩」を溶かした水溶液を入れて変化をみます。

色がどう変わったかを、テキストにまとめます。穴埋めもあれば、自由記述もあります。
ここまでで、体験学習は終了!
紫キャベツの色水作りに手間取ったり、色水の変化に興奮した息子が何度もくり返し実験をしたので、2時間くらいかかってしまいました。
体験学習では、水溶液の性質(=酸性・中性・アルカリ性)の学習はしません。
次回の学習で映像授業を見ながら、酸性・中性・アルカリ性の性質や、リトマス試験紙の色の変化などを学習し、練習問題を解きます。
Z会体験学習の様子(10月)
10月号は「たくさんあるほど暗い?!豆電球」がテーマでした。
体験学習では、電池や豆電球の数・並べ方を変えて「豆電球の明るさ」を比較します。そして、次の学習で要点を整理し、回路の表し方などを学習していく流れです。
10月はZ会から「理科実験セット」が届くので、家庭で用意するのは油性ペンのみ!
【使ったもの】
- 豆電球つきソケット×3
- 乾電池ボックス×3
- ワニ口クリップ
- 単三乾電池(マンガン)
- 油性ペン
理科実験セットは、毎月届く教材と一緒に届きました。
開けた瞬間に、息子のテンションがMAX!!
Z会は実験道具をひとりじめでき、誰にも邪魔されずに好きなだけ、自由に実験できるところも魅力です。「早くやりたい!!」とやる気スイッチが入りました。

はじめて触る豆電球とワニ口クリップ…。体験学習を開始すると、映像説明を何度も見返し、理解しようと必死。
口出しは最小限にとどめ、近くで様子を見守ることにしました。
がんばっていた息子でしたが、ワニ口クリップで少々苦戦。
「豆電球と乾電池をつないだのに光らない!!」と言うので見ると、乾電池の+と-が1つだけ反対になっていたり、ワニ口クリップの銅銭が外れてしまったり。
自分の失敗にきづき、1つずつ問題を解決していくと…

「ついた!!」
うまくいった時の息子の目は、びっくりするほどキラキラ輝いていました。
乾電池×1と豆電球×1の場合、
乾電池×3と豆電球×1(直列・並列)の場合、
乾電池×1と豆電球×2の場合など、いろんなパターンに挑戦。

あっという間に体験学習は終了。
もっとやりたかったようで、続けて第1回の要点学習にとりかかっていました。
後日、息子が大好きなテレビ番組「天才テレビくん」を観ていたところ、豆電球の実験が登場!息子が大興奮したのは、言うまでもありません。
Z会体験学習の様子(12月)
12月の体験学習は「ふしぎなかがみの世界」です。
鏡を使って光を反射させたり【実験①】、潜望鏡(せんぼうきょう)を作って「光が届く仕組み」と「反射」を体験します。【実験②】
「潜望鏡」は光の反射を利用して視点の位置を変える装置のことです。
潜水艦が潜水中に海上の様子をみるために使う装置をイメージすると分かりやすいかもしれません。海からちょこっと出ている、アレです。
【使ったもの】
- 【実験①用】手鏡×1
- 【実験②用】鏡(縦10cm×横7cm以下の薄いもの)×2
- 牛乳パック1リットル用×2
- カッターナイフ
- クラフトテープ(ガムテープ)
12月の準備で気になるのが「鏡」かもしれません。
わが家は、スシローでもらった貯金箱についていた鏡がちょうどぴったりサイズだったので、購入せずに済みました。ご自宅に鏡がない場合は、100均でミラーシートを入手し、段ボールなどの厚紙に貼って指定サイズにカットすれば手軽です。
今回の実験は2つ。
1つ目は、晴れた日の昼に手鏡を使って反射実験を行います。
実験といっても、ベランダや窓から届く光に鏡を当てて壁に反射させ、前後左右に動かしてみるという簡単なもの。入射角・反射角の基礎理解につながります。
2つ目は、潜望鏡作りです。
完成品は、こちら。

出来上がって使った時の息子は「すごーい!!」と大はしゃぎ。
「光が反射して見えるんだ!」
と、理科を学習する上でとても大切な感覚を掴んだようです。
作り方は、とっても簡単。
牛乳パックの口を開いて上部を切り取り、牛乳パックの下部に〇と□の穴を開けます。牛乳パックの底に斜めになるように鏡を貼りつけ、〇を表、□を裏にして2つを組み合わせれば完成。
言葉にすると複雑ですが、タブレットで作り方を映像解説してくれるので、小3でも一人で作れました。

机の上に置いたものが・・・

潜望鏡を通すと、こんな風に見えます。

これを使って、実験開始。
机の下(脇)に身を隠し、潜望鏡を机の上に出してのぞきます。

この実験のおかげで、12月の理科学習はすらすら解けました。
光の反射は子どもがつまづくポイントの1つなので、体験学習をして理科の感覚を養ってから問題を解けるカリキュラムは良質だと思います。
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Z会中学受験コース「理科」メリット
1番の良さは「自由にやりたいだけ体験学習ができること」です。
大手学習塾の場合、どうしても講師が中心になって実験することになりますし、自宅で発展的な学習をする場合は親の協力なくしてはできません。
また小学校でも豆電球などの実験は行いますが、どうしても先生が「まずは〇〇をやりましょう。次は○○ね。」と、やり方を指示する形になります。
Z会は、自分でテキストを読んで、映像を見て、やりたいだけ学習することができます。
そして、3年生の体験学習が4年生の学習に生きるようにカリキュラムが組まれているので、「あ!3年生で実験したあれだ!」と振り返ることができ、やりたければ再度実験することができます。
息子はまだ3年生ですが、4年生になったらどんな気づきがあるのか、ここでお伝えしますね。
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