小学生でも簡単に作れるチーズケーキをつかって、算数の体験学習をするアイディアをご紹介します。
学校の自主学習に生かせるだけでなく、親子のコミュニケーションタイムになるのが料理学習。子どもは大好きなケーキをおやつに食べれるし、カルシウムが豊富なチーズは子どもの成長にも成長にもつながります。
そして、料理はさまざまな工程を同時進行することから「段取り力」がつくことで有名です。
こちらで紹介しているすべての手順を踏む必要はありません。
実践できそうな部分を見つけ、挑戦してみてください。
チーズケーキ作りで学べること!
この体験学習は、7つの知識を身につけることができます。
- キッチン棚や冷蔵庫の中にあるもの、料理に必要な道具を理解する。
- チーズケーキの材料を知り、自分が食べている料理への理解を促す。
- 「常温保存」と「冷蔵保存」があることを理解する。
- スーパーの商品陳列、価格の違いを理解する。
- 材料の重さを計り、グラム(g)を体感する。
- モノを作るためにかかる金額を知る。
- 原価・利益・販売価格の関係を知る。
写真をとって印刷し、手順と一緒にノートにまとめれば立派な自主学習に。
子どもが自ら考え、自分でやり遂げることに意味があります。そして、親が効果的な声かけをすることで学習が深まりますので、以下のポイントを参考にお子さんの挑戦を見守ってみてくださいね。
【手順①】家にある材料・道具をチェック
まず、材料・道具をすべて子どもに出してもらいましょう。
キッチンにどんな道具があるのか、そしてどんな材料がチーズケーキになっているのかを理解するのに役立ちます。
☞[1・2]材料・道具の理解
生クリームは要冷蔵ですが、全体を理解するために必要な材料は一度すべて集めます。
全体を確認したら、「(表示を子どもと確認しながら)これは10℃以下で保存しないと品質(状態)が悪くなるから、使うまで冷蔵庫に戻しておこう」などと声をかけて、子どもに戻してもらいます。
☞[3]常温/冷蔵保存の理解

クリームチーズ200g/生クリーム200g/砂糖60g/卵2個/薄力粉おおさじ3/無塩バター20g/レモン汁おおさじ2杯
大きめのボウル/小さい器/粉ふるい器/木べら/泡だて器/ケーキ型
ベイクドチーズケーキは材料によって濃さが変わります。
わが家は、自宅に無塩バターがなかったので有塩を代用。生クリーム150g・レモン汁おおさじ1杯に変更しても美味しいです。
道具は、子どもが自信をもって調理できるように、できるだけ大きく頑丈なものを選んでください。
また、卵は3個以上の用意を。子どもが上手く割れなくても挑戦できるように準備してあげます。
【手順②】足りないものを買いに行こう
クリームチーズや生クリームなど、冷蔵庫にストックがないものが必ずあるはず。時間に余裕があれば、子どもと一緒に買い物へ。
買うものは子どもがメモし、スーパーでは子どもが商品を探します。
その時、陳列棚の上にある「カテゴリー別の案内表示」をうまく利用し、自分の買いたい商品がどのカテゴリーに属するのかを一緒に考えるのがおススメ。
☞[4]スーパーの陳列理解
会話がはずんだら、以下のポイントも会話に織り交ぜてみましょう。
☝応用編
- [バター]有塩と無塩の違い
- [卵]白と赤い卵の違い
- [生クリーム]乳脂肪分はどれにする?
- [レモン汁]有機レモンってどんなもの?
- [クリームチーズ]他のチーズと何が違う?
- [砂糖]上白糖・三温糖などの種類の違い
「あれ?何だっけ・・・」と思ったら、商品の裏面にある原材料表記や、ラベルに書いてある商品説明を読んでみてください。
【手順②】材料をスケールで計ろう
材料・道具がぜんぶそろったら、材料をスケールで計ります。
生クリームはぴったり200cc入りの商品がほとんどだと思いますが、計量カップに出してみましょう。200ccがどのくらいか、また質感の勉強にもなります。
最初にスケールの正しい使い方を教え、あとは子どもに任せます。
☞[5]材料の重さ(g)の理解

わが家の息子。
砂糖60gに挑戦しますが、思い切ってスプーン一杯を入れても9gにしかならず、びっくり。

今度は入れ過ぎました。
スプーンですくって入れる動作を数回すると、3gがどのくらいかイメージが掴めたようです。
次は、薄力粉。

薄力粉は大さじ3杯。
ここで息子に「すりきり」を教えました。
大さじ3杯なのでスケールを使う必要はないのですが、小麦粉の重さがどのくらいかを学習するためにわざと使用。
そしてバターに挑戦。
「好きなだけ切ってごらん。」
と言ったら、見事15g分をカット!
固形のバターを包丁できるのは大変だったようですが、無事3回で20gになりました。
【手順③】材料を混ぜて、焼こう
【1】ボウルにクリームチーズを入れて、木べらでよく練ります。
【2】滑らかになったら砂糖を投入。泡だて器で混ぜます。

【3】卵2個を小さい器に割り入れます。
ここもできればお子さんに。卵の割り方・溶き方を教えておくと、ホットケーキ作りなどが子ども一人でもできるようになります。
溶いた卵は数回にわけて加え、そのつど混ぜます。
【4】次に「ふるった薄力粉→生クリーム→レモン汁」の順に加え、そのつどよく混ぜます。(わが家は粉ふるい器がなかったので、茶こしを代用しました。)
【5】バターを湯煎にかけて溶かし、熱いちに加えてさっと混ぜます。
【6】ケーキ型に流し込みます。

本当は、直径18cmの丸型1個分の量なのですが、今回は2つ分けました。1つは自分用、もう1つは家族への販売用です。
焼きあがったら、かかった費用を計算し、いくらで売るかを決めます。
【7】180℃のオーブンで40分様子を見ながら焼きます。表面に焼き色がついたら、アルミホイルをかぶせるときれいに焼きあがります。

できたー!!
粗熱をとり、冷蔵庫に入れて冷やせば完成。
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【手順③】かかった費用を計算する
低学年のお子さんは、ここまでの過程をまとめて撮影した写真を貼れば、立派な自主学習ページができあがります。
余裕があれば、チーズケーキ屋さんになったつもりで原材料費・利益・販売価格を計算し、実際に家族に販売してみましょう。
商品を作るためにかかるお金、卸売り・小売りの理解などに繋がります。
☞[6・7]原価・利益等の理解

購入時のレシートをとっておき、マーカーを引くと計算しやすくなります。
砂糖・小麦粉なども、1袋の分量と金額から使用した分を計算します。商品ラベルの理解に加え、小学校で学習している算数がいかに日常生活に結びついているかを理解できるので、ぜひ挑戦を。
わが家の場合、砂糖は600g・328円の素焚糖を使用。今回は60gを使用したので、
600÷60=10
328円÷10=32.8円
☝わが家のコスト(837円)
- クリームチーズ200g →338円
- 生クリーム200g →328円
- 砂糖60g →32.8円
- 卵2個 →31.6円
- 薄力粉おおさじ3 →10円
- 無塩バター20g →35円
- レモン汁おおさじ2杯 →不明
- +税
【手順④】販売金額を決め、利益を計算する
今回、近所に住むわたしの父に協力してもらって、息子が作ったチーズケーキを購入してもらいました。
ご紹介した材料で2つ作ったので、1個分の原価は418.5円。
息子は500円で販売。
結果、利益は81.5円でした。
学習はここまでです。
今回はチーズケーキをご紹介しましたが、もちろん別のお菓子でも応用可能です。低学年であれば、ホットケーキやクッキーなども作りやすく、おススメ。
ぜひ、色々なレシピに挑戦してみてください。