
手軽にできる自由研究としても人気の「卵と酢の実験」が、息子が通う塾のテキスト(小4理科)にも掲載されていました。
どうやら、卵を酢につけて置くと謎の泡がでてきて、最後には光にかざすと透けるスケルトンエッグになるらしいではありませんか!
使用する材料は自宅にある「卵・酢・ビン(卵がゆったり入るサイズ)」3点だけでできるのでいつでも実験可能。しかも、実験にかかる日数は最短で2日。夏休みの自由研究だけでなく、日々の自主学習にも使えます。
わが家では早速実験スタート!
実験をしてみると、ただのスケルトンエッグを作るだけではない不思議な現象がたくさんおき、小学生の息子と盛りあがりました。
このページでは、詳しい実験の方法と、わが家で実際に行った実験の様子を臨場感たっぷりにお届けします。
用意するもの・注意事項
絶対に必要なものは3点のみ。
- 卵1個
- お酢
- 広口のビン
- (キッチンペーパーなど、ビンにゴミが入らないようにするためのもの)
実験してみると、思ったよりも卵から泡(気体)がたくさん出ます。
卵からで出る泡の正体は「二酸化炭素」なので、基本的には危ないものではありません。
ですが、長時間にわたって密閉すると危険な場合があるので、ビンの口にキッチンペーパーなど通気性が確保できるものをかぶせて保管するか、ビンの口に隙間を作るようにして蓋をかぶせましょう。
そう言いながら、わが家では最初「ジャムのビン」を用意しましたが、途中からあえて「密閉ビン」に変えました。卵からでる泡(気体=二酸化炭素)がどれくらい溜まったかを確認したかったからです。細目にふたを開けてビンに溜まった気体を逃がし、酢のにおいが気にならなくなったらビンの蓋を少し開けてキープすることで、安全に実験ができました。
実験に使った卵は食べられます。卵は傷みやすいので、食用にしたい方は冷蔵庫で保管してくださいね。
【実験の様子①】卵を酢に入れる
卵がらくらく入るサイズのビンに酢を入れ、卵をゆっくり沈めます。
お子さんが作業する場合は、卵を割らないように注意しましょう。卵の殻に少しヒビが入ったくらいであればそのまま使えます。(わが家の息子は酢のにおいに驚き、入れ方が雑になりました…)
卵を酢に入れると、1分もしないで泡が出てきました!

時間が経つごとに、泡の量が多くなっていきます。
そして、酢に卵を入れて5分くらい経過したとき、卵が浮き始めました!

最初は「あれ?なんか浮いてない?」くらいだったのですが、徐々に水面まで浮くようになりました。指で卵を沈めると、少し時間が経ったのちにまた浮いてきます。
ここで、「もっと大きなビンに入れたら違う動きをするのではないか?」と予想し、広めのビンに移し替えました。
また、息子が「殻にマジックで文字を書いたらどうなるのかな?」と言うので、卵を2つにして実験を続行しました。
【実験の様子②】卵の変化(1日目)
大きめのビンに移し替え、卵を1つ追加。
時間が経つと、水面に白いかたまりができ始めました。そして、息子が油性マジックで書いた文字がみるみるうちに消えていきました。
文字が消えた…というよりも「溶けだした」という表現の方が適切かもしれません。卵の殻から出る気体と一緒に見えなくなりました。

そして1時間くらい経った頃でしょうか。
卵の1つがくるくるっ!と回転をはじめました。一回転ではなく「上下が入れ替わる」イメージです。
塾のテキストによると、「卵についた泡のバランスが崩れる」と卵が回転するとのこと。卵の上で発生した泡は上昇して消えますが、卵の下で発生した泡は殻にひっかかって卵についたままになります。すると、卵が不安定になり、下の泡が上昇しようとすると卵が回転するのです。
理屈はわかっていても、実際に見たら感動もの!
そして、そのまま放置。
(※泡の出が少なくなったので酢を4分の1ほど入れ替えたところ、泡の出がよくなりました。実験を早く進めたい方におススメです。)
すると…

殻が薄くなっていました!
写真の右側が自然の(何も手をくわえていない)状態で、左側は少し指でこすった後の状態です。卵の殻が酢で溶けて「ぬるっ」としており、こすると中身が透けて見えるまでになりました。
ビンの蓋を開けた瞬間は、シュワッ!と炭酸飲料のような音がしました。卵から出た気体がビンの中に溜まっていたことが良く分かります。
そして、気のせいかな?という位に、卵が少し大きくなっていました。
【実験の様子③】卵の変化(2日目)
2日目。
ビンを開けると、相変わらず強烈な酢のにおいが出迎えてくれます…。
常温で実験+酢をときどき入れ替えたこともあり、2日目にして卵が中身が見えるようになりました。
1日目より、明らかに卵が大きくなっています!
もう少し置いてみると…
中身がはっきり見えている!
おそるおそる酢の中に手を入れ、取り出してみました。卵の殻がないのに、手で触れる…
細かい泡がまだ残っているので、水で洗ってみました。
すると、つるつるスケルトンエッグに!!
感触は、ぷにっ。
殻はないのに弾力があります。
まるで水風船のよう!
重さを測ってみると…
「あれ?」
1個62gの卵が、なんと94gになっていました。
32gの増量です。
並べると一目瞭然。
横幅を測ってみると、実験前の卵は4cmでしたが、酢につけた卵は5cmでした。
塾のテキストによると「卵のまくには伸びる性質があり、酢がまくを通り抜けて卵の中に入った結果、卵は実験前より大きくなる」のだそうです。つまり、この卵の中には約30gの酢が入っているということになります。
こうなったら、本当に卵の中に酢が入っているのか、卵を割って自分の鼻で確かめてみるしかありません。息子と一緒に爪楊枝を持ち、3・2・1の合図で卵風船を割ってみることにしました。
3・2・1…
「うわぁ!!!」
想像以上に、しっかりした卵風船でした…。
白身は酢と混じってより液体状になっており、まくが破裂した瞬間に飛び出してきてキッチン台がべちょべちょに。薄いまくは実験中に厚みを増しており、少し薄めのゴム風船になっていました。
辺りは酢のにおいでいっぱいです。
通常の卵と比較してみました。
白身の量が増え、液状化しているのがよくわかります。また、黄身も一回り大きくなり、色が蛍光オレンジのように明るくなっていました。
通常の卵のまくは、卵の殻にくっついて取れないので残念ながら比較できませんでした。
実験のまとめ
今回の実験は、卵と酢を使った化学反応を楽しみました。
塩酸は「塩化水素」という気体を水に溶かしたもので、「炭酸カルシウム」を多く含む個体を浸すと「二酸化炭素」が発生します。
今回は、塩酸の代用として同じ酸性である「食酢」と、炭酸カルシウムを多く含む食品「卵」を使って実験を行いました。(食酢は酢酸を溶かした水溶液です。)
卵を酢に入れた時に発生した泡の正体は「二酸化炭素」。そして、だんだん泡が少なくなっていったのは、酢が化学反応よって姿を変えたからだと考えられます。だから、新しい酢を入れ替えると泡がたくさん出るようになったのですね!
とても簡単にできる実験なので、自主学習にはもってこいです。
ぜひ、家庭学習の参考にしてください。