
中学受験の予習・復習ツールとして人気の「スタディサプリ」。月額2,000円程度で中学受験対策までできることから、サピックスの上位コースレベルのご家庭でも復習用ツールとして使用されています。
ここでは、なぜスタディサプリが使われているのか「便利な理由」や「効果的な使い方」、また「復習用に使う際の注意点」などをご紹介します。
スタディサプリが便利な3つの理由
- サピックスとは別角度から学べる
- 短時間で集中して復習ができる
- 親のサポートなしで復習ができる
サピックスとは別角度から学べる
コロナ期間中に特別措置として、サピックスでも動画配信がされています。普段教えてもらっている先生とは違うベテラン講師が担当していることもあり、実際に授業で受ける内容と異なることもしばしば。サピックスの動画を見て復習するのも効果的です。
ただし、サピックスの動画配信は、あくまでも授業を欠席した生徒を対象としているため、授業を受けてきた子供からすると「内容が同じでつまらない」こともあります。
一方、スタディサプリは経験豊富な塾講師が、サピックスとは別の角度から同じ分野を説明してくれます。同じ内容でも、説明する人や内容が違うと長期記憶に定着しやすくなります。
短時間で復習ができる
スタディーサプリの動画は、1講座が3つ以上のチャプターに分かれています。チャプターは10分以内のものから20分程度のものまであり、隙間時間を使って気軽に見れることも選ばれている理由の1つです。夕食前にちょっと見たり、車で移動している間にスマートフォンで見たりするなど、家庭に合った使い方ができて非常に便利です。子どもの集中力が途切れない程度の、絶妙な時間配分になっています。
また、最近はゲームやインターネットなどで目を酷使する機会が増えているので、短い時間で学習ができるのは健康にも最適です。
親のサポートが要らない
サピックスは「親のサポートが前提にある塾」です。
年度初めに「年間学習法」という各教科の内容・狙い・家庭学習方法・注意点などがまとめられた冊子が配布され、保護者はその内容に沿って学習サポートを行います。特に4年生は個別面談がないため、保護者会への参加や校舎への個別相談など、情報を得るためには保護者が積極的に動く必要のある塾です。
親がサポートをしなくても勉強ができ、上位コースをキープできるご家庭もあるとは思いますが、そんなお子さんはほんの一握り。各テキストには「保護者の方々へ」というメッセージが毎回載っており、特に社会のテキストは保護者と読むことが前提のページがあるなど、ある程度は親が関与しないと上位コース(α)への在籍は難しいと言っても過言ではないでしょう。
でも実際のところ、共働きしていたり、小さいお子さんを抱えながら通塾しているご家庭なども多く、完璧にサポートするのは難しいですよね。自宅で子どものサポートができる状態であったとしても、約3年間を子どもに付きっきりになるのは、親子ともに疲弊してしまいます。
そこで、スタディサプリのような、子どもが1人で観ることが前提の教材がると非常に便利です。スタディサプリでは動画視聴を途中で止めた場合のデータを集計し、必要に応じて動画の取り直しをしています。「先生が背中を向けると退出する割合が高い」など、子ども目線に立った「子どもが飽きない動画作り」をしていることも人気である理由の1つです。
わが家のおススメは、「理科」と「社会」。
とくに「理科」の基礎講座は実験にこだわった構成になっており、サピックスのテキストで登場する実験を映像で観ることができます。しかも、先生がテストで問われそうな重要ポイントを解説してくれるので、テスト対策にもなります。応用講座は先生の教え方がとても上手く体系的な学習ができるので、頭の中でぐちゃぐちゃになっている知識を整理することができます。
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スタディサプリの活用方法
使い方を工夫すれば、より効果的な学習ができます。お子さんの集中力を高めつつ、テストのスコアUPにつながる学習をするには、次の5ポイントを覚えておくと便利です。
- 理解度によって音声速度を変える
- テキストに目を通し、各単元の基本を理解する
- テキスト最終ページの確認テストを学習
- 実験映像をくり返し見る
- ドリル学習を活用する
理解度によって音声速度を変える
スタディサプリ小学講座は音声速度を6段階から選べるところです。少しゆっくり目に聞くなら×0.75、2倍速なら×2.0にすればOK。速度を下げると先生の声が少し低く、上げると高くなります。音声が二重に聞こえるので聞きづらくなるので注意してください。
無料テキスト・PDFを活用
テキストがある講座は、授業の内容をまとめたテキストを無料で閲覧・ダウンロードすることが可能です。基本レベルは一通り読んで確認。応用レベルは内容が理解できているかよく読むとおススメ。1冊1200円で紙テキストを購入することも可能です。
確認テストを活用する
テキスト最終ページに「確認テスト」があります。数問でですので時間があれば挑戦するのがおススメです。
実験映像をくり返し見る
スタディサプリ小学講座の理科[基礎]では実験映像に力を入れています。塾では見れない実験を好きなだけくり返し見ることができるので、理解が浅い単元は何度も見てイメージ作りをしましょう。
ドリル学習を活用
「講座を選択」の一覧では、小学4年生から大学受験生・高校3年生までの講座が並んでいます。スタディサプリ小学生講座に加入していれば全ての講座が見放題。一覧の中にある「小学生向け問題集」では、各講座のドリル学習をすることができます。問題数は10問程度なので、気軽に解けますよ。
スタディサプリを使う際の注意点
スタディサプリを復習に使う場合、おススメの教科は「理科・社会」です。「算数・国語」は復習には適さない場合があるので注意が必要です。
算数の注意点
スタディサプリの「算数」は、入門編・基礎・応用の3コースに分かれています。入門編・基礎編は小学校の学習指導要領に基づいた内容で、応用編は一般的な中学入試問題の大問1・2にあたる問題を理解し、正解できるようになることが目標の講座です。
サピックス生が復習で使う場合、多くの人が応用編を受講すると思いますが、スタディサプリの先生が教えてくれるのは一般的な解法になります。一方のサピックスでは、時に市販テキストには書かれていない解法を指導することがあります。「一般的には○○のように解くけれど、××の方が簡単だからこう解こうね」と言った具合です。これは、5年生になった時にその解法の方が混乱を招かないためです。
また、サピックスでは基本的に「他の市販テキストなどを使用して算数を勉強する必要はない」というスタンスをとっています。サピックスのテキストに出てきている問題を根本からしっかり理解し、スラスラ解ける状態にまで学習するのが1番重要です。
もちろん、スタディサプリの応用を担当する繁田先生は中学受験界のカリスマ講師ですから、安心して受講することができます。ただし、サピックスで教わる解法と異なることがあるかもしれないと理解し、サピックスのテキストを十分理解した上での視聴がおススメです。
国語の注意点
スタディサプリとサピックスの違いが如実に表れるのが「国語」です。当たり前のことではありますが、両者のテキストは異なります。よって、扱う文章が違うので、サピックスで学んだ知識や読解練習をピンポイントで復習することはできません。
ただし、サピックスであまり扱わない「詩」の学習を行ったり、「国語辞典・漢和辞典の使い方」や「熟語の組み立て」などの知識問題の復習には適しています。
もちろん、サピックスでの学習に加えてスタディサプリでも勉強する…ということは可能ですが、国語に関しては色々な教材に手を出すのではなく、サピックスのテキストをしっかり復習することが大切です。